母の役割 竹田邦彦(抜粋)
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- 2011/04/10 10:37:38
母ができることは限られている.
原発を運転できる訳でもなく、風向きを変えることもできない。
でも、母は全ての危険を「最小」にすることはできる。
時に、子を危険にさらすこともある。たとえ危険があっても子の希望を叶えてあげたいと思うのも母である.
そんなとき、子を送り出した母は無事に帰ってくるまでただ神に祈る.
できることと、できないことがあるが、子を守ることはできる。
1)
母は「管理区域」の放射線を越える場所から、子を連れて避難する。
放射線の強さは最近1週間の平均が、1時間0.6マイクロシーベルトである。
子の受ける放射線を自らはかれる場合はその値を、測れない場合はその地域の発表値を使う.
1時間0.6マイクロを越える場合、場所によっては1年間1ミリシーベルトを越えることもあるが、それぐらいは母の配慮で減らすことができる。
移動は連休明けまでを一つの目安にして、そこでもう一度考える.
(さまざまな理由で移動できない母は次へ進む。1時間0.11マイクロを越え0.6マイクロまでの場所の母も同じ。1時間に0.11マイクロ以下の母は「食材以外」は普段通りで良い。)
2)
食材を選ぶ。
(政府が「明日の風向き」を発表せず、メディアが「風評」という用語を使い、スーパーが「基準以下の汚染の野菜」に「シーベルト表示」(汚染度)をしない間」は次の行動をとる。)
イ。放射性ヨウ素が基準以下の野菜が、放射線量を表示せずにスーパーで売られる危険性が高い。
ロ。産地は偽装されることが多い。
ハ。もし産地が判れば、茨城北部産、福島県東部、宮城県南部産の食材は買わない。もし「南部」「東部」が判らなければ茨城産、福島産、宮城産の食材は買わない。野菜、鶏卵、肉の全ては同じである.
二。外国産、北海道産の食材を求める(残念ながら、現在では国産より外国産が信頼できる。
(スーパーが放射線量を表示するようになったら)
「福島東部産の野菜は安心です」などと言っていたスーパーなら疑い、「消費者に放射性物質を含んでいるものは、基準値以下でも売りません」と断言していたスーパーはやや信頼する.
(国が「明日の放射性物質飛散予想」を出すようになったら)
表示を信じて、放射性物質が表示され、かつそれがゼロの物だけ買う。
また、合理的な理由で、3月11日以前に収穫されたもの、外国産、新潟、長野、静岡以南で生産されたもの、日本海の魚ということがわかるものは購入する。
3)
空気
マスクをできるだけさせる。この時期になると屋内屋外はあまり差がない。
あえて窓を開けない(黄砂が来たときと同じ防御をする)。
外出すると放射性物質(黄砂)が服についているので、自分を含めて家族の外出着はできるだけ拭いて、玄関など普段、あまりいないところにかけておく.
4)
水
福島県東部、茨城県南部以外の人は、「飲み水だけペットボトル」の状態にする。福島県東部、茨城県南部の人は「計算値(後述)」を用いる.
水道局の発表を自ら、もしくは口コミで知っておく(私はやや水は楽観している。心配な人は水道局の値を調べて、「子供の総合的な被爆地」を計算する)。
風呂、歯磨き、洗顔、お米とぎ、調理、掃除などは福島県東部、茨城県北部以外は大丈夫.
天気予報に注意し、子供にかならず傘を持たせ、危ないときにはビニールのカッパを使う.家に帰ったらすぐ脱がせて洗う。
5)
家の中
床を綺麗に拭き掃除する(放射性物質は床に付着する)・・・この時期はかなり大切!!。
壁も時々、拭き掃除する(壁にも少し着く)。
子供が手にするおもちゃ、道具などを拭いておく.
子供の服は外出から帰ったときに、ごく簡単にティッシュで拭く(黄砂を落とす感じ。屋外で)。
洗濯物は1時間に0.6マイクロシーベルト以下の地域は屋外、それを越えている地域は屋内とする。
6)
運動
運動は危険であるが、子にとっては人生そのものでもある。だから、「危険を冒して送り出す」ことになる。
1時間に1マイクロシーベルトを越える地域では、合宿などあらゆる手段をとってもらうように頼む.
それ以外の地域でも、できるだけ先生、コーチに御願いして、屋外の練習の時間を短くしてもらう.
7)
学校
給食の「被曝量」の表示を求める.その時に「基準値以下」を「ゼロ」にしないように求める。
学校に、「放射線の測定の高さ」、「内部被曝(校庭のホコリなど)」、給食、水道などの全活動を含んだ「児童生徒の被曝量」を表示するように強く求める.
教育委員会、校長は信頼できないことが多い.教師と連帯する.
放射性物質は「半減期」がありますから、必ず近いうちに「安心できる放射線量」になりますから、最初だけ頑張ってください