■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の…(40)
- カテゴリ:その他
- 2011/04/04 00:03:53
■近代文藝之研究|研究|ルイ王家の夢の跡 十三(2) - 十四(1)
支配の氣、帝王の相はあらゆるものに影を宿して、威力といひ雄大といふことを其の生命とするに至れるなり。是れ社會國性のおのづからの發現に外ならず。而して歐洲統一の覇圖を有せるナポレオンの人格は之れと歸を一にす。彼れが羅馬帝國の古に式せんとするの好尚は、當時の藝術に影響して、第一期佛蘭西帝國の下に帝國式の一體を生ずるに及べるもの、亦た宜ならずや。帝國式美術について稍々精しく論ぜるものには、獨のカール、ロスナー氏(K.Rosner)が『十九世紀裝飾美術』と題する書あり。此の體の美術を標して、威力、單一、適當の三語につゞめたるを見る。
十四
ヴェルサイユ宮殿に遊ぶものは、また必ず之れと隣りしたる大小のツリアノン宮殿に過《よぎ》るならん。其の大ツリアノン宮に於いて、我れはロココとアムピール、ルイとボナパルトの對照を見るを得たり。
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*註1:支配の氣、
原本では文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。
*註2:社會
「社」の旧字体。扁の「ネ」は「示」。
*註3:覇圖
「覇」の俗字体。「襾」+「革」+「馬」。(*正字は「雨」+「革」+「月」)
*註4:好尚
「尚」の旧字体。「ナオガシラ」は「小」。
*註5:影響
「響」の旧字体、もしくは正字体だが原本画像不鮮明で確定できず。
旧字体は、
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kyou_hibiku.jpg
正字体は、
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/kyou_seiji.jpg
*註6:精しく
「精」の正字体。旁の「青」の「月」は「円」。
*註7:適當
「適」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註8:ツリアノン宮殿
現代では一般に「トリアノン宮殿」と表記される。原語では「Trianon」。
*註9:過《よぎ》る
「過」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註10:ロココとアムピール、
原本では「ロココとアムピール。」とあるが誤植と思われるので改めた。「アムピール」というのは、19世紀初頭のフランスで流行した室内装飾、工芸、服飾の様式で、ギリシア・ローマ時代に範を求める新古典主義のこと。ナポレオン帝政時代に最も盛んであったため、アンピール(empire=帝国)と呼ばれた。
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
大幹部みたい俺wwロココイナズマイレブンのここから来たのかも
名まえ・ちなみにボナパルトキン肉マンで王位争奪編で
マンモスマンにあっけなく秒殺台詞なしwwこれみてきます