Nicotto Town


猫バカのぶろぐ。うん。   ・・・・・・読んで?


ある日  とつぜん   最後のお話

ふと、目の前が明るくなった。



(ここ・・・・家じゃない?)


私の前には、何もない真っ白な空間が広がっていた。


しばらくぼーっとしていると、いきなり目の前に何かが現れた。



その「何か」は、とてもおかしな形をしていた。



顔は白いひげをサンタさんのようにはやした老人で、
胴体はしろい毛でおおわれており、
なぜだか後ろに2本の黒いしっぽが揺れていた。


「あ・・・あの・・・・どちらさまでしょうか・・・・・」

「わしは、夢をかなえる仙人じゃ。」

間髪いれずに仙人は答えた。



「じゃあ、仙人さん、どうして私はここに来たのでしょうか。」

「それはな、おまえがかなった夢を必要以上に使いすぎたからじゃ。」

「?」

「おまえは、最初のうちは、魔法を楽しく使っていただろう?瞬間移動とか念力とか。」

「はい」

「ああ、この分なら大丈夫じゃろうと、本当は1週間ほどそのままにしておいてやろうとおもっとったのじゃ。」

「・・・」

「だが、おまえは図にのり魔法を使って威張り散らしとったじゃろ?」

「・・・・はい」

「だから、魔法を使えなくさせる罰を下そうと思ったが、心から反省をして、自分のやった事の重大さを分かったようなので、ここに呼んだのじゃ。」


「・・・」

「本当に心から反省しておるか?」

「はい。」

「分かった。おまえが今日おかしたことは、皆、無かったことにしてあげよう。」

「ありがとうございます。」

「しかし・・・・」

「しかし?」

「自分が一人で生きているのではなく、周りの人の支えも借りて生きているということを忘れるな。

     
          でないと、また今日のような事になってしまうからな。   分かったか?」


                       


「はい!」

「うむ、良い返事じゃ。気を抜くなよ、わしは、いつもお前のことを見守っているからな。」


仙人はそう言うと、微笑みながら白い空間に溶け込んでいった。



















「おきなさーい!!!いま何時だと思ってるの!!」

お母さんの叫ぶ声で目が覚めた。

あわててかけおりて、支度をする。




「いってきまーーす!!」



こうしてまた、私の何でもない日々が始まる。

でも、なんでもない日々の中に、いつも、驚きや幸せや希望が芽を出している。





「あ!ひこうき雲!」





青い空に一本、きれいに描かれた白い線の向こうで、あの仙人が笑っている気がした。



                                 




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