Nicotto Town



『精霊の世界、星の記憶』 第1話「出会い」


第一章 シリンダの森




「出会い」



 朝のやわらかく淡い光が、すぅーっと木々の間から伸びてくる。

朝一番のさわやかな風が吹き抜けて行き、森を目覚めさせていく。

ザワザワザワ……、濃い緑が、森が起きていく音がする。

その音を聞いて、眠っていた精霊たちは目を覚ます。

そして、小鳥やリスなどの小動物たちが次々と起きていく。

 腰の辺りまである長く美しい金色の髪、この森のように濃く大きな緑色の瞳を持った少女が、木々に手を触れ朝のあいさつをしながら歩いていた。

少女はこの森の長老、一番の老木に朝のあいさつをしに行く。

森の長老は人間の観念でいう年齢でいうと、太古の太古のお年、樹齢三万年は超える老樹だった。

このシリンダの森の中でもひと際大きく、他の木々たちを圧倒させる貫禄を持っている。

少女は遠目から、その老樹の木の根元に小さく何かあるのに気がついた。

だんだん近づいて行くと、それは無造作に寝ている少年だということがわかった。

少女は首を傾げながら側により、少年のすぐ横にひざをかかえて座った。

そして、少年の顔をじっと見つめた。

――見たことのない顔だわ。

「あっ!」

と少女は思わず声をあげてしまう。

――この世界のモノではないわ。異世界……、たぶん人間だわ。

いいえ、たぶんじゃなく、人間界から来てしまった人間なんだわ……。

と少女は思い、少年が目覚めるのをそこで待つことにした。

突然の訪問者、すやすやと眠る少年を時々やさしく見つめながら。

朝のやわらかい光が、絹のようになめらかな少女の髪にまとわりつき、より一層金色を輝かせていた。

心地よいそよ風が、その髪をやさしくとかしながら吹いて行った。

まるで砂金が、サラサラサラ……とこぼれるように。

突然、少年が寝返りをうって、まぶしそうにそっと目を開けた。



≪・・・・・・つづく≫


#日記広場:自作小説

アバター
2011/04/16 22:32
>若草さんへ

とても嬉しいコメント、どうもありがとうございます♬(≡^∇^≡)

ファンタジーの世界、楽しいですよね♪
映画とかのファンタジーもの、ロードショーされると観に行きたくなります(*^o^*)
アバター
2011/02/25 19:30
精霊の世界、星の記憶
これからどんなサーがが始まるのか
わくわくしております^^
ファンタジー大好きなんです
うれしいですね



Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.