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まさまさ さまー


パルテノン


パルテノン (実業之日本社文庫) [文庫] 柳 広司 (著)

了読です
3話は時系列で並んでいますが
主題の違いや筆者自身の技巧が向上した結果
テンポが変調し、いささか読みにくいなと感じる時もあります。

しかし、なかなかの力作です。

解説で宮部みゆきさんが書いていますが
テミストクレス案
は賞をとり逃しています。

これは
明らかに賞を取れるレベルにあると
認識しているにもかかわらず
柳氏の技量が枠からはみ出していたため
審査員のなかから湧き出ていた空気感で
短編賞を見送ったのです。。。

最近の政治を見ていて感じるのですが
安定成長しているときは
奇をてらわず本筋をはずさないように
多数決が正解だと思う一方
現在のように
人口もピークを超え
減っている状況で
高度経済成長期と同じ数の議員数はいりません。
(思い切った施策は決して民主的な会議では決まりません)

数が多すぎるがために
思い切った政策も
反対派に阻まれ
思うに任せず
増えすぎた公務員は
自らの食い扶持を守するため
何が何でも既得権を死守

結果として
足の引っ張り合いが行われます。
(メディアはメディアの既得権、老齢リッチ層は老齢リッチ層のそれーーーなど)

日本ほど若者にチャンスの少ない国はありません。
しかも若者自信も
就職できる中小企業は選択肢にほとんどなく
すでに出来上がった
大企業ブランドばかり追い求めています。。。

人に使われなくても
これからは個々人の才覚を生かして
小さなロットで商いが展開できる時代に差し掛かっているのに
です

さて、短編の最後
パルテノンは
パルテノン神殿を制作指揮した
フェイディアスと
幼馴染である
ペリクレスを中心に展開していきます。

大雑把にいうと
「美」と「民主政治」をテーマにしています。

雨が少なく
車が多いため埃っぽいギリシャだそうですが
ぜひパルテノンを見にいきたいなと
候補地がひとつ増えましたw

ペリクレスの民主政治にかける「情熱」を
ぜひ現代日本にも蘇らせていただきたい!
と思うと同時に
民主政治の限界も感じました。

国家的な危難の時には
多数に拠るのではなく
英雄的な才覚が大事だと僕は思います

(テンペストの孫親方のような才覚です)







内容紹介

古代ギリシア黄金期をダイナミックに俯瞰!

ペルシア戦争で勝利をおさめ、民主制とパルテノン神殿の完成によって、
アテナイが栄華を極めた紀元前五世紀。都市国家(ポリス)の未来に希望を託し、
究極の美を追究した市民の情熱と欲望を活写する表題作「パルテノン」ほか、
「巫女」「テミストクレス案」の三編を収録。『ジョーカー・ゲーム』で
ブレイク前夜に刊行、著者の「原点」として位置づけるべき意欲作、待望の文庫化!

アバター
2011/02/18 23:04
ジョーカー・ゲームは大傑作で
その流れで柳さんの本はあらかた読んだのですが
これもいいですよ~
アバター
2011/02/18 21:20
面白そうだ。
うんうん、自分の利益を優先する人達による民主政治は
どうにも身動きが取れなくなっていますね。



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