Nicotto Town



ドングリ君のお仕事

『ドングリ君のお仕事』


ここは不思議な世界です。

だから季節も不思議な季節で、草風、花風が吹いています。

猫じゃらしの森にひっそりと、ドングリ君が隠れています。

ドングリ君はこっそりとお仕事をしています。

どんなお仕事かしらって?

それはね、・・・・・・まだ内緒!!


ドングリ君はここで風を待っています。

どんな風かって?

それはね、おだやかな風、さわやかな風、やさしい風です。

いい風が吹いてきました。

ドングリ君はころんとした身を跳ね上げ、ふわりと風に乗り

ました。

まるで宇宙飛行士が軽やかに移動するように、とても軽々

と風に乗りました。

しばらくすると、ドングリ君はある病院の病室の窓に向けて

飛び降りました。

そこには病気の女の子がいました。

女の子は毎日毎日つらい治療を受けていました。

そのため、笑うことを忘れてしまいました。

女の子は、窓の隙間からころんと転がりこんできたドングリ

君に気がつきました。

ドングリ君は女の子のベッドの上に、1、2、3とジャンプして

飛び乗りました。

そして、おしりフリフリひょうきんな踊りをおどりました。

思わず女の子は笑ってしまいました。

その笑い声に、うとうとと疲れて眠っていたお母さんが起きま

した。

お母さんは久ぶりに女の子の笑い声を聞き、とても嬉しそう

でした。

そのお母さんの嬉しそうな顔を見て、女の子も嬉しそうでした。

ドングリ君はふわりと女の子の肩に乗り、ひと粒の種を女の

子の口に放り投げました。

女の子は思いました。

どんなにつらくても、ほほえみを忘れてはいけないと。

女の子はにっこりとお母さんにほほえみました。

そう、ドングリ君が投げた種は「ほほえみの種」でした。

ドングリ君は、いつのまにか消えていました。


ドングリ君はお仕事が終わると、猫じゃらしの森に帰ります。

次のお仕事をするために、ドングリ君は風を待っていました。

ドングリ君が待っていた風が吹いてきました。

また、軽やかにまん丸の体を風に乗せました。

さて、今度はどこで飛び降りるのでしょう・・・・・・。

ドングリ君は「やさしさの種」「いやしの種」「感謝の種」「幸せ

の種」、いろいろな種を持っています。

いい風が吹いてきたら、その風にドングリ君が乗っているかも

しれません。

ドングリ君はちょっぴりひょうきんで、いたずら好きです。

猫じゃらしの森から風に乗って、みなさんのもとにも遊びに行

くかもしれませんよ。


あなたにも届きますように、ドングリ君の種が・・・・・・。


#日記広場:自作小説

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2011/04/16 22:20
>あぎょネコさんへ

とても嬉しいコメント、どうもありがとうございます♬(≡^∇^≡)

ドングリ君の種は、猫じゃらしの森にあるドングリの大樹です。
ぽかぽか暖かい陽だまりの中、心地よい風、やさしい雨で育っています。
ありがとうございます☆^^
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2011/04/16 22:17
>若草さんへ

とても嬉しいコメント、どうもありがとうございます♬(≡^∇^≡)

ドングリ君の種は、いろいろな種があります。
きっとドングリ君には中の種の色が見えているのかもしれません。
勇気の色、幸せの色、微笑みの色・・・・・・、こちらこそありがとうございます☆^^
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2011/01/30 19:59
ドングリ君の種は、猫じゃらしの森の ぽかぽか陽だまりの中で、生まれるのかなぁ。
春風が吹いたような、気がしました。
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2011/01/29 20:51
ほのぼのとしたドングリ君のお話しとても素敵でした。
私もドングリ君から幸せの種をもらい久しぶりに幸せな気分になりました。
ありがとうございます。



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