続 パパのしあわせ 17
- カテゴリ:自作小説
- 2011/01/25 08:21:34
------------------------------これはフィクションです-----------------------------
パパが 「月と6ペンス」 読んだのは 広島の中学に行ってから。
図書室で 古典に近いものから 手当たりしだいに読んでたころ
「人は みな孤独 塔の中で暮らしている。
他の人になにか 伝えるのに 符号を使っている。
だけど 符号は みんなちがうので 伝わらない。」
------赤い果物で 好きなものは なんですか?
「 りんご 」
「 いちごが好き 」
「 ざくろ 」
「 すいか 」
「 えーーーっ すいか 赤じゃないよ 緑でしょ 」
「 りんごのほうこそ 白いじゃないの 」
皮をむいたりんごしか食べたことのない子は意味がわかりません
違う土地で生まれ 違う文化 環境で育った 二人。
違う符合で 会話する。
言葉は 真実を伝えるためにある と思っても 伝わらない。
伝わらないままに 伝えられなくなってしまった。
ほんの 半年前の 青いアウディーのドライブデート。
遠い 遙かな むかしの出来事のよう。
今は ふたりとも ベッドから 抜け出すこともかなわない。
伝える手段を 持たないままで 横たわる。
ぺつぺつの場所
思い出は 永遠に残るかしら。
ちょっぴり苦くても、甘い思い出。その輝きは永遠に失われることなく・・。