思い出の本
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/01/24 21:15:59
小さいころ、母は寝る前に絵本を1冊読んでくれた。
お気に入りの本はいくつもあったが、その中でも何度も読んでもらったのは「ぶたぶたくんのおかいもの」だ。
今見ると不気味な絵なのだが、当時は全然不気味だと思わず、それよりも子豚がいろんな店で買い物するのがうらやましく、わくわくした。
もう1つの気に入りは、「ぐりとぐら」。
これはご存知の方が多いだろうが、野ねずみのぐりとぐらが大きな卵を見つけ、それで大きなケーキを作る話。
当時の私はこの絵本が白っぽいのが不満だった。
大きな卵、これがピンクだったらきっときれいなのに。
そう思ってクレヨンで塗ったら、想像とかけ離れた出来になってしまい、なぜか今までよりきれいでなくなってしまった。
それがとてもショックだったのに、母に「何でこんなことやったの」と言われ、すごく理不尽に感じたが、理不尽なのは自分のほうだ。
(今でもピンクのクレヨンで落書きされた絵本が実家に残っているはずだ)
小学校1年の時、買い物から帰った母が急に童話の本をくれた。
普段、子供にプレゼントなどくれる人ではなかったので驚き、喜んで読んだ本は「小公女」。
正直、私にはあまり面白くなかったのだが、母は大好きな話だったらしい。
ふうん、お母さんはこういう人にあこがれるんだ、と思ったのを覚えている。
初めて読んだ文庫本は小林信彦の「オヨヨ島の秘密」。
確か小学5年か6年だったと思う。
何故その本を選んだかは覚えていないが、どちらかと言うと若者向きの、ギャグの多い本だった。
が、家がお固く、お笑い番組をほとんどみたことのなかった私には中の「流行のギャグ」の意味がほとんどわからず、なんとなくノリで読むしか出来なかったのが残念だった。
中学ではSFにのめりこんだ。
図書室のSFはみんな読み、古代文明の秘密とかの系統も読み倒し、図書委員になって先生と新刊を買いに行き、またSFをたっぷり買ってもらった。
だが、SFは高校か大学で出会ったJ.P.ホーガンのガニメデシリーズが忘れられない。
最初の1作目を何度読んだかわからない。
2作目を見つけたときには興奮したし、3冊目を見つけたときは、今日はもうごはんも何もいらないと思った。
このほかにも思い出の本はたくさんあるけれど、思うのは「若い頃に読んだ本は、成人してからの本よりずっと価値がある」ということだ。
本を読むことで自分のものでない他人の人生を生きる事が出来る。
もちろん、成人してから読んで感動した話はたくさんあるし、若い頃読んだ本を再読して新たな発見をすることも多いが、若い頃読んだ本のほうが心に爪を立てやすい。
多くの本との出会いが、私を作っていったのだと思う。
読んでます!
確かにあれはずいぶん感じが変わっていましたよね。
えー、こんな中に入っちゃうの!? と思いながらもダンチェッカー教授が巻を追うごとにいい味出すようになるので彼から目を離せませんでした。
でも、やはり1作目のチャーリーの手記のあたりのくだりとそのあとの展開が大好きです。
ほめられると照れちゃいます^^
けど、あの頃たくさん読んでおいてよかったなあ、と今でも思うのです。
さやみどりさん
おお、同志!!
翌日すごく後悔することがわかっていても読んじゃいますよね^^;
今、子供とハリーポッターを読んでいるのですが、続きが気になるのに図書館では順番待ちがあって…借りられるとやったー! と二人でむさぼり読んでいます。
つるまつさん
あの作者の本、導入部はとっつきにくいですが、その世界に入るとはまりますよね!
私も「創世記機械」と「断絶への航海」、好きです。
この頃の作品は読んでいないので、今度図書館で探してみようかな。
物語の根幹に関する発想が面白いんですよね。
ほとんど持ってます。
「創世記機械」とか、ハヤカワの「断絶への航海」なんかも好きですね。
って、ものすごいわかりますw
学生時代はほんとうに寝食を忘れることも。。
翌朝はひどかったですw
多くの本との出会いが、私を作っていったのだと思う。
たしかにそう グリコさんは感受性もたしかだね