思い出の本2「ほんとうの空色」
- カテゴリ:小説/詩
- 2011/01/21 23:28:32
年末にインターネットで岩波少年文庫リストを見ているうちに
アッ、これだ!!
と思いだした一冊。作者はバラージュ・ベーラ、ハンガリーの人。
何が良いかというとまずタイトル。空色という表現も美しいがさらに「ほんとうの」とつく。
おそらくはこのタイトルに惹かれて読んだと思う。
「モモちゃん」のほうは市の図書館で本棚から何度も引っ張り出した記憶があるが、「空色」ほうは空色の絵具というアイテムと結末がよかったことは覚えているのに<いつ頃><どこで>(学校か?他の図書館か?)読んだか覚えてない。
今も昔も図書館を本棚代わりに乱読するので、小学生ころまでの本の記憶は深海の泡のようにどこからともなく浮かび上がってくるのです。
カラーの挿絵を見たような気がするので岩波文庫ではなかったと思うから、絶版になっている講談社のものかもしれない。
さてアイテムの「空色の絵具」であるが、本当に「空」の色であって、たとえば主人公の男の子がそれを使って絵を描いて。「きれいだろう」と人に見せると「なんだその変な灰色は」と答えが返ってくる。何故なら、見せた時ちょうど実際の空も曇っていて、絵具もその空の色になっているから。
その絵具を使って主人公の少年は楽しく不思議な経験をするわけだ。
そして、結末。
絵具を使い切ってしまう。
残ったのはズボンに付いた絵具の小さなシミのみ。
少年はこれを毎日眺めたいがためにいつまでもその短い子供用のズボンをはき続ける。
しかしある日、同級生の少女がやってきて「いつまでその子供用のズボンをはいてるのか。おとなにならなくちゃいけない」と説得。(穏やかで優しい言葉だったと思います)
主人公は拒否しようとするけど、自分を見つめる少女の瞳が青い空色であることに気が付き。子供用ズボンを捨てることを決心する。
う~ん、ガールフレンドが日本人だったら絶対にない結末だな。と。読んだ時も思ったような。
少年の成長を描く。名作です。
映像化したら観たいな。
表現が上手なのか、書くのが上手いのか、多分両方ですね。
流石に本を沢山読んでるだけあります。
羨ましいな~見習わなきゃ!