海の中で
- カテゴリ:自作小説
- 2011/01/08 15:31:51
沈んでいく
沈んでいく
沈んでいく
目の前に広がるのは、光の反射を受けて輝く青だけ
こんな状況であるにも関わらず、「綺麗だなぁ」と感じてしまう。
こんな状況?どんな状況だ?
酸素不足のせいで思考すらもおかしくなってきたようだ。
「綺麗だ」
そう呟いたつもりだったが、当然のごとく、口からは泡以外何も出ない。
そうか、死ぬんだ。
自分の命の灯が消えそうになっているにも関わらずそんなことをのんきに考えていた。
あぁ、頭が澄み渡っていく。どんどん、どんどん。
「ぐっ・・・ごぼっ・・・」
いよいよ酸素が足りなくなってきたらしい。
苦しい・・・俺、何でこんなところにいるんだっけ・・・
「がはっ・・・ぐ・・・」
高まってくる焦燥感とは裏腹に、頭の中はさらに澄み渡ってくる。
・・・何かが手に当たった。
何が当たったのかさえも考えることができないまま、俺は意識を手放した。
面白いね^p^毎回読むぉ!