【小説】紫翼のジーナ~20~
- カテゴリ:自作小説
- 2010/12/22 10:44:14
『紫翼のジーナ』8-②話
原案:はじめあき
作者:しゅーひ
過ぎ去った2年間に何度も謁見(えっけん)を申し立てた。
正規なルートや裏工作のような事までした。
しかし、未だにメロアは叔父である弟王に会うことを許されなかった。
ことごとく、事前でガロンに先手を打たれてしまっていたのだ。
その間、民への税が下がることは無く、王族と一部の貴族のみが裕福層となり、一般の民の生活は苦しくなる一方であった。
大国であるにかかわらず、他国との貿易は王政の戒厳令から限られており、事実上この国の財源は確実に傾いていった。
貧困と差別は争いを生み、王宮のある中心部はまだ良いが、他の地域の治安は急激に下がっていった。
貴族に対する不平・不満による暴動も各地で起きていたのだが、王立軍によりあっという間に鎮圧されていった。
特にガロンがひきいる、近衛軍は強大な魔法を駆使し内紛を抑えていき、力による強力な支配を慣行していった。
弟王は、『弟王』として実権を掌握し、この国は王政による軍事国家の道を進み始めていた。
先代王の娘であるメロアであったが、数名の侍女のみがお付きとなり王宮の離れに隔離されている現状であった。
父が亡くなってとたんに王女としての特権は殆ど残っていなかった。
弟王がしたのか、側近のガロンがしたのかは判らないがよほどの政治手腕があるのが肌で感じられる。
実際、メロアは何も出来ず、幽閉のような立場になってしまったのである。
当然、政治に口出しができる立場ではない。メロアが深窓の姫君のような飾りだけの王女ならば逆に良かったのかもしれない。
しかし、メロアは聡い姫であり、国の行く末に心を痛める王女であったのだ。
美しさに磨きの掛かったその横顔は憂いに満ちていた。
熟れた果実ような唇から漏れるため息すら山間に差し込む朝日のような清々しさを感じさせるのであった。
そして、宝珠のような瞳には、ある決意が色濃く映し出されていた。
弟王の側近であるガロンが、数日前に肩に大きな怪我をして療養中だと聞いている。動くなら今だ。
王宮の離れの大きな窓から外を眺めていたメロアは静かに振り向いた。
王女が座るには質素な、しかしながらとても一般の民が購入するには困難であろうソファの縁にそっと手をおいてゆっくりと口を開いた。
「後は、たのみましたよ。メルポ」
メロアの第一侍女であり、メロアが王宮内で最も信頼する女性であるメルポは深々とお辞儀をして
「かしこまりましてございます。おひぃさま。しかし・・・おひぃさま自らが動かれる必要があるのですか?今、外は大変に危のうございます」
と噛み締めるように言った。
メロアは静かに首を左右にふって侍女に答えた。
「いいえ、誰かが動かなければ駄目なのです。その為にわたくしの身は象徴としてはうってつけなのはわかるでしょう?」
主人であるメロアにそう言われたメルポは、次に続く言葉を発する事は出来なかった。そして静かに頭を下げて細い声を出した。
「お気をつけてくださいませ」
侍女の切なる願いを聞いたメロアは、目線を窓に向けて小さく頷いた。
お姫様の冒険の始まりですねw
またまたー 考えてないなんてwww
しっかりと続き、お待ちしていますよ♬
ふむふむw
おひぃさまとリンたちは絡むのかなあ・・
楽しみデスw
お疲れ様でした~
…って(考えてないんかーーい!)に吹いてしまったよw
そんな筈はないでしょう~w
どんどん面白くなってくるから、続きが本当に楽しみです♪♪
ファンタジーは冒険と勇者とお姫様ですものね!w
さーて・・・
このお姫様と主人公をどうやって絡めれば良いのかなぁ・・・・
(考えてないんかーーい!)