■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻…(29)
- カテゴリ:その他
- 2010/12/20 00:24:27
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の彫刻を論ずる書 第八(3)
それよりも重要な問題は自然派がかくの如く作爲を減じ行かんとする動機は何であるかといふことである。何のために成るべく多く自然に接近せんとするか。其の答は夫の英詩人ワーヅワースの自然主義を評した一評家が寫實派を難じて「冷かに理解的記録を作る」といつた言に見出だす〓[#「こと」合略仮名]が出來る。「冷かに理解的記録を作る」を慊らずとするの聲は、やがて内にある生きたものを求めんとするの聲である。作爲を排して自然に肉薄せんとするものは、之れによつて内部の生命に觸れんとするからであらう。一層動的な、一層深いものを求めんとするからであらう。自然派本來の出立點は此所にあるのではないか。寫實派が古典派に對するの不滿足も是れであつた。今亦自然派が寫實派に對する不滿足も是れである。
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*註1:重要
「要」の俗字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/you.jpg
*註2:接近
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註3:評した一評家
「評」の旧字体。
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*註4:難じて
「難」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/nan.jpg
*註5:記録
「録」の旧字体。旁が「碌」の旁と同じ。
*註6:
「〓」は「こと」合略仮名。
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*註7:内にある・内部
「内」の旧字体。「冂(=エンガマエ)」+「入」。
*註8:一層
「層」の旧字体。「曽」が「曾」。
*註9:此所
「所」の旧字体。
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
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■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
無縁ですか^^でもあれ出ましたね漫画規制困るな><
勉強インしときます・ふふふ^^