創作小説「延ばされた手」(後編)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/12/05 00:39:07
復活遊戯 番外編
後編
数秒後、ポタポタと水滴が手から落ち出した。
それを受け止めようと思わず手を出したエンユだったが、
「あつっ!」
と落ちた滴にすぐ手を引っ込めた。
見ると皮膚が赤くなっている…軽いヤケドだ。
エンユの素直な反応に苦しそうではあるが、彼は笑っているようだ。
「へぇ、お前、水を出せるのか」
「周囲の水分を集める…水の〈法術〉の基本です」
「ふーん…熱のせいで今は調節できないんだな」
西院は水の法術士が集まる法院。
法術士がいてもなんら不思議はないが、水の法術を目前で見るのは初めてのことだった。
最近は強力な〈術力〉を持った法術士の数も減っているらしい。
エンユは再び部屋を見渡す。
室温が高いのはどうやら彼の熱のせいらしい。
寒くないよう温めているわけではないようだ。
「だから冷たい風か……」
納得したように呟くと、エンユは瞳を閉じた。
意識は上空、万年雪が残る北の高山から流れてくる冷たい風を捕まえる。
その直後、開け放たれた窓から入り込んだ風は、淀んだ空気を一掃していった。
「これで少しは楽になっただろう」
と、エンユは微笑んでみせる。
「……うん…ありがとう」
お礼の言葉の後には、規則正しい呼吸が聞こえてきた。
身体が楽になったのか、眠ってしまった彼を見下ろし、まだ窓から延ばされていた腕をそっと中へ戻してやる。
「じゃあな」
聞こえていないだろう相手にそう告げて、窓から飛び降りた。
妙な安堵感がエンユの心に広がったのを覚えている。
延ばされていた手を捕まえられたからかもしれない。
過去を思い出し静かなエンユを心配そうに見ている目前の相手を見る。
エンユがこうして今、ベッドで寝ているのは沙羅を助けたからだ。
法院に属していない術士…邪法士に追いかけられ崖から足を滑らせた沙羅は、助けようとするエンユの腕に手を延ばすことなく、自らを支えていた腕を放した。
それを見たエンユは落ちた沙羅に続いて思わず一緒に飛び降りてしまった。
たぶんそれは、手を攫めなかった事の後悔を心が覚えていたからなのかもしれない。
エンユが落ちる身体を風の法術で支え、なんとか地に叩き付けられるのを回避し、何とか邪法士の他のだ。
しかし力の使いすぎでエンユはそのまま倒れ、3日間寝込んでしまったのだ。
「沙羅があんなにトロイとは思わなかった。腕すら延ばせないなんて」
「あれはお前を巻き込まないようにと―」
沙羅は言いかけた言葉を飲み込み、そして二人で顔を見合わせて、笑った。
復活遊戯はコレで出し切ったーww 終わりっww
私にももう判らんわww
てか、設定のままの「みかん箱」の中、いくつあるのかもう判らん状態だなぁ><
整理しないとねーww
12月分の小説を一気によんだ~~
出し切った~って・・・
本編が続くんだよね~?w
期待してますじょ。先生w
と思ったら,一瞬で終わったΣ
エンユと沙羅のコンビ,大好きです(*´Д`*)ハァハァ