幻想白昼夢症候群 LvX #-3
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/19 17:40:21
「リューも素直じゃないよねー」
玉座に深々と座り、眠そうな目で凛を見送る雀鬼が言った。
リューというのは…私の愛称らしい。
「んな…何だよッ」
何が素直だ。私は1人で十分だぞ。
「好き、なんでしょ?」
龍鬼は飲んでいたお茶を吹きだした。
「またまた~」
呼び鈴を鳴らし雀鬼が召使に床を拭かせる。
ば、莫迦かお前は―――
「……」
「…? どうしたの?」
雀鬼が突然黙って俯いた。
「…気のせい…?」
「え?」
ボソッと何か呟いたが、龍鬼には聴こえなかった…。
だが次にはもう雀鬼はいつも通りの五月蝿い奴に戻っていた。
「じゃ、私そろそろ帰るね?お邪魔だろーからぁ」
「うっさい!は、早く帰れッ!」
「きゃー怖ぁーい。じゃ、またねリュー」
パタパタと手を振りながらヒョイッと玉座を飛び降り、5歩歩いたところで…転んだ。
「へぶッ!」
可愛らしい声をあげて、鼻を押さえている。
鼻血でも出たんだろうか?
と、思っていたら、雀鬼はもう立ち上がって照れ隠しのように急いで大扉を押し開けて去っていった。
私が言うのも恐れ多いが、あんな国王、私が民だったらちょっと嫌だ。
「…ぁ…」
ふと、外を見ればもう日は傾きかけていた。
空に浮かぶ雲が血のように紅い。
全く、奴はまだ準備できんのか。
見に行ってやろう。…それにしても…
相変わらずこの玉座は大きいし高いな…
軽く飛び降りる感じで降りると、窓の外に雀鬼の馬車が帰っていくのが見えた。
さっきは悪かったかとも思ったが、悪いのはあっちだ。
「…好きって、何だよ…」
差し込む夕日が龍鬼の細いシルエットを照らした。
漆黒のなめらかなツインテールが僅かに揺れる。
目頭が熱い…――。
何時の間にか、龍鬼はそこに立ち止まってしまっていた。
と、そのとき…
「…龍鬼様…?」
はッと顔を上げる。
凛が、目の前に居た。
奴が入ってきやがったのに気づかなかったようだ。
相変わらず気配の無い奴。
「整いました。今すぐに出発できます。お召しかえはいかがなさいますか?」
「いい」
「失礼しました」
なるべく凛の顔を見ないように早足でその場を去る。
凛の静かで落ち着いた足音と自分の騒がしい足音が回廊に響く。
召使のみんなが仕事の手を止め道を開け跪く。
「龍鬼様、一応これをお持ち下さい」
馬車に乗る直前、凛が大剣…大太刀?を差し出してきた。
とにかく大きい。
何でも斬れてしまいそうな気がした。
「勿論、私めが命をかけて貴女様をお守りします故、龍鬼様にその太刀を抜かせはしません」
下を向いたままその大太刀を引っ手繰る。
顔が赤いのを見られないように必死だった。
そのまま黙って馬車に乗り込みそっぽを向く。
凛はその様子をさも面白そうに眺め、御者席に飛び乗った。
切れがいい?かな、と思ったので今日はここまで。
どうでしたか?
純粋な龍鬼様と魅惑の凛様。皆さんはどちら派でしょうか(笑)
でわでわノシシ
こういうキャラ好き✿
でも、龍鬼も可愛いな//
龍鬼は女の子!?
凛が男の子だよね!
じゃ、凛派!・・・って、男なら誰でも良いみたいじゃんかw
そんなことはないぞよ。
ジャンル不明じゃw
ファンタジーラブコメ!?←
けど凛様派ですぜ←
にしてもあれだね、更新1日1回て早いなwww