『陰陽師 安倍晴明』 谷恒生
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/11/16 21:17:36
『陰陽師 安倍晴明』谷恒生
全3巻
陰陽師1
陰陽師2 呪の章
陰陽師3 終の章
祥伝社 ノン・ノベル NON時代伝奇ロマン
形態:時代小説
時代:平安時代
登場人物(歴史上の人物のみ抜粋):
成明(なりあきら)親王(村上天皇)
安倍晴明
芦屋道満
藤原師輔(もろすけ)
藤原顕忠(あきただ)
朱雀天皇
小野道風(とうふう)
祐姫(すけひめ)
渡辺綱
晴明の設定
20歳前後
民間陰陽師
土御門神道主催者
この小説は陰陽師安倍晴明と題を冠しているが、主人公は後に村上天皇となる成明親王である。
平安の都の腐敗を憂う晴明が成明親王が東宮(とうぐう;皇太子)冊立(さくりつ)に一役買う。
冊立…勅命により皇太子・皇后などを正式に定めること。さくりゅう。
晴明はどちらかというと脇役。成明親王とその周囲の人々が危機に瀕すると、晴明やその仲間が現れ、苦難を救うという、勧善懲悪もの。配役を変えれば、テレビの時代劇に通じるストーリー。晴明は主人公を助ける(野暮ったい言い方をすれば)正義の見方である。
この小説、実はお勧めできない。不必要に性描写シーンが多いのである。それも目を覆いたくなるような、露骨で卑猥表現だらけで、読んでいて不快極まりない状態になる。これは成年指定の作品だろう。(未成年の方は絶対に読まないで欲しい)
中高年のエロ親父をターゲットに書いてあるのか、ほんとうに嫌になる。
私はその手のシーンになったら、飛ばし読みをした。あるいはセリフのみをかいつまんで読んだ。
とはいえ、この作品は成明親王側に犠牲者(死者)が全く出ないので、そういう意味では安心して読める。
最近の風潮で、良いモン側が言い知れぬ不幸(最悪死を迎える)になる、救いようがないものが多くて暗くなりがちであるが。
ちなみに祐姫は怨霊役じゃなく、成明親王に愛される姫として登場。
成明親王(村上天皇)との子供が東宮になれなくて、怨霊になるのだが。(このお話はそこまで行かない)
祐姫好きな人、初めて知りました。というか、知っている人、少ないですよね。
相当なマニアとお見受けした。
酢醤油様
ご無沙汰です。変なシーンは飛ばし読みすれば、割と面白い本ですよ。