Nicotto Town


厨二病もここまでだ!!!←は


~争いの無い世界~*亡き兄貴の亡霊Ⅴ*

その頃…
塑羅は龍雅の言う十階建ての旅館にいた。
その部屋は狭すぎず、広すぎず、ちょうどいい広さだった。
塑羅は窓から外の景色を見ていると、突然机の上の携帯が鳴る。
携帯を開き、誰からか確認すると龍雅からだった。
塑羅「もしもし…?」
?『お久し振りね』
塑羅「…!」
電話の相手は龍雅ではないことに気がついた。
その声の主は誰か分かると、ギリッと歯を嚙み締める。
塑羅「麻栞月…!」
月『あら、覚えててくれて有り難いわ』
塑羅「何であんたが兄貴の携帯を!兄貴はどうしたのよ!」
月『何寝ぼけたこと言ってるのよ。あんたの兄さんは何年か前に死んだんでしょ?』
電話の向こう側の月がそういうと、塑羅は心の奥底で思った。
騙された…と。
月『処で…外見なくていいのかしら?自分がどんな状況か見なさいよ』
月がそういうと、塑羅は急いで窓の下を見た。
言われたとおり見てみると、旅館の一階が燃えていた。
その旅館は木材で出来ているため、いつ十階まで火が来るかわからない。
塑羅「しまった…!」
月はこのときを狙っていた。
そう思うと急いで助けを呼ぶため、召喚獣・四季バタフライの春の蝶を十階の窓から放った。

一方。
頬杖をつき、ボーっと外を見ている玲は今でも塑羅のことが忘れられなかった。
今頃どうしてるか…
そんなことを考えているとき、窓から薄ピンクのフワリとしたものが飛んできた。
何が飛んできたのか、玲は視線を下に向けるとガタンと音を立てて椅子をこかし、立ち上がる。
星姫「玲先輩?」
ちょうど傍に居た星姫が、何があったのか聞いた。
玲は机の上にいる蝶を両手で拾い、星姫に見せた。
玲「これ…塑羅のだよね」
星姫「四季バタフライ・春の蝶…」
コクリと頷くと、星姫に聞いた。
玲「なんて言ってるか…分かる?」
星姫は生き物の言葉が分かる力を持っている。
誰かの召喚獣の言葉もよく分かる。
玲に聞かれると、星姫はジッと蝶を見た。
何か分かったのか、顔色を悪くして小さく口を開けて言った。
星姫「"主が…危険"と言っています…」
そのことを聞いて玲も顔色を悪くした。
玲「慧璃!」
慧璃「はい!?」
名を呼ばれ、振り向くと玲は丘のほうに指を指した。
玲「丘で…ある場所へテレポートするわよ」


数分後。
テレポートした先にあるものを見ると、誰もが声を無くした。
玲たちの前には火に燃えている旅館。
その火はもう八階まで来ていた。
玲「どうするの…これ…」
燃えている旅館を見て、ポツリと言った。
玲「"蒼く清き水よ、今ここに"!」
火に指を指し、呪文を唱えると何処からか水が降ってくる。
が、
水の効果が全然無く、逆に水を消されてしまった。
火に油を注いだように、火の威力はさらに増していた。
どうしていいか分からない状況の中、誰かが話しかけた。
?「お困りの様子ね」
不意に声をかけられ、振り向くとそこには笑っている月がいた。
玲「月…」
一度その名前を呼ぶと、何かに気がつく。
玲「あんたでしょ!あんなことしたの!」
月「ええ、したのは私。でもあの旅館から入ったのは向こうからよ?」
一度も間を開けずに月は言った。
玲「塑羅の兄さんも…どうせ…どうせ月の手下なんでしょ!!」
月「何言ってるのよ」
月は眉を寄せた。
さっきまで笑っていた顔が、急に真剣な顔になる。
月「私は手下にそんな命令は出してない。どうせ幻でしょ?」
玲「…もういい。今は目の前の状況を何とかしなさいよ!!」
玲は旅館に指を指す。
月はフンと鼻を鳴らす。
月「そんなこと知ったこっちゃ無いわ。助けたかったら助けたらいいじゃない。…死にたかったらね」
ニヤリと不気味な笑みをすると、玲は燃えてる旅館の方へ歩く。
その途中に何かをブツブツと唱えだした。
急に立ち止まると、足元に魔法陣が現れる。
その魔法陣は誰もが知っている…

―――――召喚獣を出す魔法陣だった―――――――――――――――…

テストで一度失敗し、その恐怖がまだ残っているのだろうかと思われるが、そのことに二度と気にしないように強く決心した。
魔法陣から大きな鳥の姿をした召喚獣を出した。
玲はその召喚獣の片足に捕まり、命令を下す。
召喚獣は大きな翼を広げ、空を飛んだのだった…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
いつも更新しようと思ってもなかなか更新できず、今日やっと続きを更新したところですw

前回の続きが気になっていた人、すいません;
まあいないだろうけど…

今度からは出来るだけ速めに続きを書きますので;はい;

ではでは感想待ってますノシ

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