浅田次郎
- カテゴリ:日記
- 2010/11/10 11:12:21
「両脇を海に括られた函館の街は、
まるで群青色の古代の壁に立てかけられた
螺鈿の竪琴である」
ううーっ、憎いわっ。
はーはーはー、って興奮しそうに、
この形容には参りました。
函館の夜景を描写しています。
函館好きの私、
(だいしょうじさんだとさらに実感が濃いですよね)
とにもかくにも小説を書く者としましては、
嫉妬さえも覚えます。
中年ぐらいまでの作家の中では、
文章は浅田次郎氏が最高だと思うのですよ。
好みもあるでしょうけど、
「つばさよつばさ」、紀行エッセイ。
おススメデス。
うんうん、読んでみてね。
はるるんも読書慣れしてるだろうから、
浅田さんの描写はびきっと来るかもね。
好き嫌いはもちろんあるだろうけど、
小説も面白いよ。
私は浅田さんのコメディっぽいのも好き。
文章は端整でよみやすく、
語彙は豊富でストーリィテラーで、
この人が長年デビューできなかったのが信じられませんよね。
「壬生義士伝」はいっぷう変わった書き方で、
でも、大好きでした。
週刊誌に「壬生義士伝」が連載されたとき、あまり興味も暇もなく、最初のころは無視していました。それなのに、最後のころは夢中になって毎週読んで・・・そして最終回のころは、読みながら泣きじゃくっていました。
筆力がすごい人です。