「茜色の憂鬱」
- カテゴリ:自作小説
- 2010/11/09 13:24:32
どうしてこんなにも、夕暮れはさみしいのだろう。昼と夜のほんの少しの合間にしか、その名は許されない。鮮やかな紅から橙へのグラデーションは、あっという間に藍色に塗り替えられてしまう。
寂寥、寂寞。
そんな言葉が、妥当なところだろう。愁いを帯びたこのオレンジには。
そして、その一瞬のせつなさの存在に己は思いを馳せるのだ。
ああ、おまえも哀しいのね、と。
刹那悠久の優しさ。暖かい慈愛の光り溢れる夕焼け。
アスファルトの上に伸びた長いかげぼうし。
その感傷に誘われて来た、閉じ込めたはずの本音を夕方に溶かす。
「明日の英語のテスト、どーしよー……」
***
断じて手抜きではない。
こっちが知りたいっす。