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人生カカト落とし


『ヴィンランド・サガ』(7)

『ヴィンランド・サガ』(7) 幸村誠/講談社 読みました。

サガとは、古代北欧で事実として語られた話が語り伝えられ、後に書き留められた散文文学の呼称です。
そのなかでヴィンランド(北米大陸)への渡航と移民が描かれている『赤毛のエリクのサガ』『グリーンランド人のサガ』が俗に「ヴィンランド・サガ」と呼ばれている、ハズなんですが……
すみません、出典が思い出せません。手近な本をひっくり返してみたものの、記述が出てきませんでした。

と、長いですがここまでが前ふり。

漫画『ヴィンランド・サガ』は、それらのサガにおそらく想を得て、でも自由奔放、大胆に紀元1000年頃のノルマンたちを描いています。
(主人公トルフィンも前記のサガの登場人物ですが、年齢から違っています)
大河歴史物、アクション物が好きな方にお勧めです。
ただし、所々で結構バイオレンス。苦手な方は覚悟してどうぞ。

さて7巻。トルフィンは置いてけぼり気味。アシェラッドが主役みたいになってます。
復讐という個人の問題で精一杯のトルフィンに対し、クヌート王子やアシェラッドは、自分以外の幸福を視界に入れて(というか、自分は配慮の外っぽい)いるからでしょうか。

ローマ鎧を身につけ「アルトリウスの末裔」を名乗るアシェラッドはその存在自体がドラマ、注目しろ、と作者が目配せしているようなものです。
彼の出自が語られた時は「キタキタキター」となった人も多いのでは?

周囲に(ってかアシェラッドに)翻弄されっぱなしのトルフィンは、復讐という呪縛から解き放たれて自分の道を歩くことができるのでしょうか?
正直言って、少々心配。

遙かなるヴィンランドへの道はずいぶん遠そうです。




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