ペーパレスってホントに地球にやさしい?
- カテゴリ:日記
- 2010/10/19 13:19:07
さて、どうでしょう。
経験上、簡単に加筆修正・増刷が利く分、明らかにに書き直しの回数が以前より増しています(最終案ができるまでは、ミスプリントなどを活用した裏紙を使ってますが、その分、プリンタの紙詰まりも頻発する始末)。ということは、当然のごとく、紙の消費量が増えているということで(とある会議の際での配布資料が厚いことこの上なし)、その分、PCやプリンタの稼働量も上がってるので、電力使用量も増えているのは確実です。
ということは……全然、省資源や省エネになってない!
結果として、紙・電力ともにその消費量は上がってるんじゃないかと実感しているのに、ペーパーレスで省エネって、なぁんか嘘っぽいなと。
さて、なんで、こんなことを言い出したのかというと、最近、高レベル放射性廃棄物の地層処分の意見広告を見ていて、「あぁ、これで、みんな、騙されるんだなぁ」と思ったことがきっかけ。
「原子力は温暖化防止に役立っているのですが、放射性廃棄物の処理がどうしても必要になってくるので、安全な地層処分は必要なものなのです」というのが、その趣旨なのだが、よくよく考えると(嘘とまでは言いませんが)、なんか変なんじゃないの? というよりも、なんでこんな子供だましみたいなミスリードに引っかかるの?って気分。
たしかに、原子力発電はCO2の排出量は(発電時の排出量は火力発電に比べて)少ないのは事実。
けれど、地層処分をするための施設を作り、維持するためのCO2の排出量を含めた時の総量は(それらを必要としない火力発電施設やダムなどの水力発電施設と比べて)どうなのか? 少なくとも、少ないとは思えない。特に維持費に関しては、何年維持すればいいんでしょ? 原子力発電の燃料としてよくつかわれているウラン235やプルトニュウム239の半減期はそれぞれ7億年と2万4千年って言われてるけど……放射能が安全なレベルに減少するまで何年かかるの?
原子炉自体も未来永劫もつものではないし、数十年で廃棄しなければならないのだが、その際の放射性廃棄物の処理にかかるCO2の排出量は(火力発電施設や水力発電施設のそれと比べて)どうなの? 少なくとも、火力や水力と比べて発電施設の廃棄にも相当量のエネルギーの投入が必要とされるんじゃないかと思う。
建設時に景観や生態系に大きな問題を抱える水力発電、稼働するのに化石燃料を大量に消費する火力発電は確かに問題を抱えている。これからのエネルギー源とされる風力や地熱、潮汐等々の自然エネルギーを利用した発電も果たして、全く問題はないのだろうか?風力発電で(予想よりも発電効率が悪いとかは置いといて)景観上の支障になるとか、渡り鳥のコース上にあってバードストライクの問題があるとか、いくつか問題も指摘されているのも事実。
しかし、これらよりも原子力発電が優れていて、設置を推進する必要があるというのは本当だろうか? 火山が豊富で地形的に活動的な日本で原子力発電は果たして、ほかの発電方式に比べて安全なのか? 安定的な地層処分が果たして可能なのか? いろんな疑問が次から次へと……。
自分に都合のいい事実だけを述べて(=都合の悪い事実は伏せて)、自分の都合のいいように議論を持って行こうとするのは(政府や企業だけじゃなくて、NGO・NPOみたいな(見かけ上)善意の集団でも)常套手段なので、自分の頭でよ~く考えないといけないね……という話。
ちなみに、私は日本という地形的に活動的で狭く人口が密集している状態での原子力の活用には懐疑的です。