Nicotto Town


じぇんとるの日常~思考回路図~


~fancy trip~

長い間、薄暗い森の中を、一人で歩いてきたんだ。

どこに向かっているのか、自分でもわからない。

でも、当然のように、先を急いで歩き続ける。

目に見えない時間の流れに縛られる日々。

それは生きていくには避けては通れない必要な儀式。

まるで、決められた運命のレールの上にいるような感覚。

でも、すべて自分自身で選んで、ここまで辿り着いたんだ。

何度も繰り返したとしても、きっと必ず同じ場所に戻ってくる。

この広い世界、違う道を歩いている、違う自分がいるとしても。

それは、全くの異次元の世界のお伽話。

ちっぽけにみえることでも、無駄なものなんて、一つもない。

すべて、無意識のうちの、偶然ではなく、必然だから。


暗闇から抜け、目の前に広がった風景。

それは、いつか貴方と一緒に来たエメラルドグリーンの海?

デジャブに思わず立ち止まる私の手を、笑いながら引き寄せる貴方。

心臓が飛び跳ねて落ち着かないのを見透かしたような瞳。

綺麗な白い肌に、ぷっくりとした耳元、うなじにかかる髪。

毛先の動きまでも、想像するだけで何だか愛おしくて。

自分を必要以上に覆っているだけの布なんて、もういらない。

全てを今、脱ぎ捨てよう。

きっと貴方と一緒なら、ジェットコースターのようなスリル、ドキドキ感に変わる。

何よりも幸せな瞬間が待っている予感。


貴方は一歩ずつ、目の前にできてゆく階段を登る。

雲の向こうに隠れた太陽のような夢を掴み取るため。

私は、その足元に咲く花の一つに姿を変える。

眩いばかりの光が差し込み、今、ゆっくりと横切る貴方を見つめる。

先へと進み続ける姿を、そっと見送るだけのつもりが、

優しい貴方は、たくさんの花の中から、私を選んで摘み取ってくれる。


歩き続けることに疲れた貴方を、風に吹かれながら癒したいと願ってた。

安らぎを与えられる存在になれるのなら、私は静かに咲き続けようと。

刻み込まれて消えない傷を そっと癒せる言葉を探し続けていた。

その存在が、大切であればある程、孤独は強くなる。

涙も出ないなんて悲し過ぎるけど…そっと耐える貴方を包もう。

要領よくなんて生きられない私だけど、傍にいさせて?

これ以上、大切だという想いが、狂おしいほどに募ってしまう前に。。。




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