~fancy trip~
- カテゴリ:日記
- 2010/09/30 21:07:32
長い間、薄暗い森の中を、一人で歩いてきたんだ。
どこに向かっているのか、自分でもわからない。
でも、当然のように、先を急いで歩き続ける。
目に見えない時間の流れに縛られる日々。
それは生きていくには避けては通れない必要な儀式。
まるで、決められた運命のレールの上にいるような感覚。
でも、すべて自分自身で選んで、ここまで辿り着いたんだ。
何度も繰り返したとしても、きっと必ず同じ場所に戻ってくる。
この広い世界、違う道を歩いている、違う自分がいるとしても。
それは、全くの異次元の世界のお伽話。
ちっぽけにみえることでも、無駄なものなんて、一つもない。
すべて、無意識のうちの、偶然ではなく、必然だから。
暗闇から抜け、目の前に広がった風景。
それは、いつか貴方と一緒に来たエメラルドグリーンの海?
デジャブに思わず立ち止まる私の手を、笑いながら引き寄せる貴方。
心臓が飛び跳ねて落ち着かないのを見透かしたような瞳。
綺麗な白い肌に、ぷっくりとした耳元、うなじにかかる髪。
毛先の動きまでも、想像するだけで何だか愛おしくて。
自分を必要以上に覆っているだけの布なんて、もういらない。
全てを今、脱ぎ捨てよう。
きっと貴方と一緒なら、ジェットコースターのようなスリル、ドキドキ感に変わる。
何よりも幸せな瞬間が待っている予感。
貴方は一歩ずつ、目の前にできてゆく階段を登る。
雲の向こうに隠れた太陽のような夢を掴み取るため。
私は、その足元に咲く花の一つに姿を変える。
眩いばかりの光が差し込み、今、ゆっくりと横切る貴方を見つめる。
先へと進み続ける姿を、そっと見送るだけのつもりが、
優しい貴方は、たくさんの花の中から、私を選んで摘み取ってくれる。
歩き続けることに疲れた貴方を、風に吹かれながら癒したいと願ってた。
安らぎを与えられる存在になれるのなら、私は静かに咲き続けようと。
刻み込まれて消えない傷を そっと癒せる言葉を探し続けていた。
その存在が、大切であればある程、孤独は強くなる。
涙も出ないなんて悲し過ぎるけど…そっと耐える貴方を包もう。
要領よくなんて生きられない私だけど、傍にいさせて?
これ以上、大切だという想いが、狂おしいほどに募ってしまう前に。。。