瞳の中の少女…最終回
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/17 23:56:59
仙道君の人格はどうしているのだろう?心配だ。もし、今ここで仙道君の人格が出てきてくれても、彼女という壁がある限り、永遠に仙道君を正常には戻せない。
今は彼女とコンタクトをとるしかないのだ、じっくり時間をかけて。
今日、この状態の仙道君を見て決心は深まった、要請があれば僕はここに通い続けることを…
そうだ、事件の発端を言っておこうか…
仙道薫が仙道君に恋をしてから、好意を持って近づいてくる女の子を追っ払っていたことに始まる。それがいつ始まったかは知ることはできない。
I市の高校にいた時の自殺した女の子は、仙道君の犯行ではなく本当に自殺したものらしい。しかし、その子は仙道薫に罵声を浴びたのだ。仙道薫はただ追っ払うつもり言ったのだろうが、その子はそう取れないだろう。女性のような声で怒鳴られては、ショックはどれくらいのものなのか?そして彼女は自殺した。
初めは追っ払うのが主だった。それがいつからかエスカレートして、仙道薫は通り魔事件を行ってしまう。僕が当初考えていた推理は、かすってもいない。悲しいけど真実は僕の予想を遙かに超えていた。
まったく、たいした推理力だよ…
そうだ、井上さんはどうなったかって?もちろん大丈夫だったよ。
仙道薫に襲われそうなところを間一髪だったけどね。
それまでの被害者(自殺した子をのぞいて)は後ろから殴られていて、幸いにも犯人の顔を見ていない。でも彼女は好きな人と一緒に帰っている幸せな時間に、その好きな人本人からナイフを突きつけられたんだ。奇声に近い女性言葉で罵声を発する仙道君から。
悪夢としか言いようがない。今はまだ落ち込んでいる。早く立ち直ってほしいものだ。
今の彼女と話をするのは無理だ、僕はまた応接室に戻ることにした。
じっと何かを見ていた仙道薫は、立ち去ろうとした僕の方に少し振り向いた。一瞬、目と目が合う。その仙道薫の目は、事件が起きた頃とは比べものにならないほど綺麗に澄んでいた。あのような事件を起こすなど、微塵も感じさせないほど。
桜が咲いている時季だからか分からないが、瞳の色は桜色に染まっていた。
仙道薫は桜色に満ちた瞳を手の方に向けた、そして微笑む。
その手には、割れないようにコーティングされた、写真ほどの大きさの鏡が、しっかりと握られていた。
おわり
ありがとうございます、お粗末さまです
まさかの真犯人だったと思います
高校生当時、書いていると犯人のを真田にするのか、桂木にするのか、仙道にするのか、その他にするのか
迷いだしましたが、はじめのインスピだった仙道に落ち着きました
最後はかなりショッキングなんで、すごく難しいところなんですけど
当時は若かったのですんなり書いてました^^
当時は多重人格を簡単に考えていたんだと思います
それと裏技的に、仙道薫の場面のとき彼女が見ている色と
その次の場面、真田が見ている色が同じだというところがあります
もしよかったら読み返してみてください
そこに気づいた人はもしかしたら真田が犯人なんじゃないかな?
と思ってくれるかな?と考えて書いてました…確か^^
もう何年も前のことなんで
今日はあとがきを書こうかなと思っています
今回も読んでくれてありがとう^^嬉しいです^^
連載お疲れ様でした。
まさかの真犯人、かなりびっくりしました。
でも、事件の謎がすべて解けてしまうと、ちょっと切ないです。
何が原因で二重人格になってしまったのか、わかりませんが、きっと仙道君自身にもどうしようもないことだったのでしょうね。
もちろん、もう一人の仙道薫にも止められないし。
みんな愛が欲しかっただけなのに。
愛されたいと願う気持ちがこんな事件を引き起こしたと思えば、切なくなります。
二重人格を含む多重人格の治療はそれぞれの人格の融合だと聞いたことがあります。
周囲の協力のもとしっかりと治療して新しい仙道君が誕生して、幸せになってくれることを祈ります。
真田君も今回の事件でちょっと大人になったのかな。
連載お疲れ様でした。