瞳の中の少女…10
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/11 23:43:51
あれから2週間が経った。テレビのニュースで見る限り、捜査の進展はなさそうだ。学校では通常通りに授業を受けている。
僕は苛立っていた。正解に1歩近づいたはずなのに…自分の無力さといっこうに犯人を検挙できない警察に、僕は苛立っていた。
あれから着実に推理を巡らせていた。そして、少し犯行の幅が広がった。それは仙道君が転校生ということを考慮に入れていなかったからだ。仙道君は他県からの転校生だから、ここに来るまでの身辺に何があったかは知りようもない。
もしかしたら、転校する前にも同じような事件があったのかもしれないと思ったのだ。
僕の暴走は止まらなかった。
二時間目と三時間目の間の休み時間にトイレへ行くと、鏡の前に仙道君がいた。良いタイミングだ、僕は声をかけた。ちなみにテストの結果はもちろん仙道君がトップだった。強がりではなく、特に悔しさはなかったけど。
「仙道君」
聞こえなかったのか何か考え事をしていたのか、反応がなかった。僕はもう一度声をかけて肩に手を触れてみる。
「仙道君」
ポンと肩に手を触れると同時に、仙道君が振り返る。
「…真田君」
「何か考え事していたみたいだね」
「…うん…やっぱり、事件のことが頭から離れなくて…そういえばこの間のこと話してくれた?」
「ああ、伝えといたよ。もし警察が何かピンと来ていたら仙道君のところに出向いているはずだけど…来てない?」
顔が曇ったと思ったら首が横に振れた。叔父は関係ないと判断したのだろうか?
「あのさ、ちょっと今度の事件について聞きたいことがあるんだけど。いいかな?」
「いいよ」
彼は強い意志を持ってOKしたように見えた。自分にできることなら、という気構えなのだろう。
ちょっとした賭けではあったが、仙道君に僕の推理を聞いてもらうことにした。その上で、転校前のことを聞いてみようと。
「あの、警察はどう考えているか分からないんだけど、僕は僕なりの考えがあって。仙道君も感じているかもしれないけど…ストーカー…君のストーカーによる犯行だと思っているんだ」
「…ストーカー」
察するに、彼もそう感じていたようだ。
「だからさ、ここに転校する前の学校でも、同じように女の子が被害にあったとか、そんな事件があったんじゃないかなと思って。確かT県のI市に住んでたんだよね。そこで何かあったなら教えて欲しいんだけど」
質問の途中で仙道君は目を伏せた。
実際に近くで事件があったら、何にもできないでしょうね
早く主人公の真田がなんとかしてくれるかな?
乞うご期待^^
仙道君も精神的に参っちゃうでしょうねぇ。
早く何とかしてあげて~。