Nicotto Town


じぇんとるの日常~思考回路図~


~firefly~①

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私は、ずっと居場所を探していたんだ。

特に何も不満のない毎日。

平凡に、家族がいて、友達がいて、別に不自由な悩みもない。

たまに勉強やテストという、ちっぽけなことに頭を使うだけで、

それができなかったからといって、命まで取られることはない。

そう、毎日同じことを、繰り返しながら生きてるだけ。

それは、下手に反抗するより、一番楽な方法だけど、他に、何があるわけでもない。


何も知らなかった私は、純真無垢な心で、ひたむきに信じて生きてきた。

この生活が、いわゆる「普通」というものなんだと。

だけど…ある日、ふと、見つけてしまったんだ。

自分の中の物が、全て逆転してしまいそうなほどの、大きな「何か」を。。。


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とある女子高の、地下にある図書室の一角。

そこは、知る人ぞ知る、さびれた空間。

ぎっしりと並ぶ数多くのメカニズムに対し、人数は、まばら。

かすかに湿った空気と、閉塞感に襲われるのが苦痛にならない人だけが、

そこに存在することを、暗黙の了解で許されている。


ヨウは、ここに一人でいる時が、何だか一番落ち着くと思っていた。

別に、人が嫌いなわけじゃない。

友達とバカな話をしながら騒ぐのだって、楽しいと思う。

だけど…人は、いつだって、多くの物を知らずに求めてしまうものだ。

いつの間にか、気付くと理想だけが先走って、勝手に幻の世界を作ってしまう。

そして、少しでも空間に歪みが出来たりすると、諦めて投げ出してしまう。

理解し合うことに疲れ、自己完結で無理矢理、納得させてることに、誰も気付かない。

皆が、平然と、自立したふりをして、笑顔を作っている。


「…本当の孤独に耐える度胸なんてないくせに。」

一人、自分に向かって愚痴りながら、ヨウは苦笑いする。

うん、わかってる。誰よりも特別になりたくても、誰よりも自分が普通なことは。

何より、今、自分が一番、しなければならないことが、出来ていない。

レポートの締め切りまで、あと三ヶ月。追い込みの為に、ここに通っているのだ。

でも、いつも、この場所に座ると、どこか別の場所にトリップする感覚に陥ってしまう。

きっと、何か、ここに麻薬的な要素があるんじゃないか、と確信している。

でも…それでもいい。もう、ここから逃れようと思っても、手遅れなのは、

自分が一番、よく知っている事実なのだから。。。


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それは、ある蒸し暑い日だった。

そろそろ初夏の扉が開かれようとしている、その日。

いつものように、ヨウは、自分の特等席に座って、作業に追われていた。

外は、抜けるような青空だったけど、今日は、もう見れそうもない。

でも、軽く入れられたエアコンが心地良い。


…ふと、空気の流れが、何だか異様に変わる瞬間を掴んだ気がした。

頭の芯が急にズキズキと痛み出す。何、これ???

いきなり、頭の奥底に、見知らぬ声でメッセージが流れ込んできた。


「・・・コチラ、ファイ・・・アナタハ、ダレ???」


機械的だけど、何だか懐かしいような雰囲気を醸し出す声に、

最初は戸惑っていたヨウ。試しに、頭の中で語りかけてみる。


「…私は、ヨウ。…ファイ?あなたは、どこにいるの???」


ドキドキしていたのも、束の間、すぐに頭の中に声が響く。


「ヨウ・・・ボクハ、花ノ香リニ、包マレテイル・・・」


怖さよりも先に、心が弾み、ずっと聴いていたいと思わせる、不思議な旋律。

「惹かれる」とは、こういうことなのかもしれない。

気付いた時には、もう、後戻りなんてできず、あとは進むだけ。

そう、たとえ、この身の破滅しか待っていない未来だとしても。。。


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アバター
2010/09/06 22:40
とーやさん>ふふふ…ヨウちゃんは女の子ですよ^^
ピチピチの女子高生の設定ですwww←
わりと、頑張って書いたけど、そんなに長くなかったという^^;
どうぞ、続きへ~wwwww
アバター
2010/09/06 22:24
ふわ、ついに連載ですか・・!?
そこはかとない別世界への扉がどきどきします・・///
ヨウっていう名前に、男・・?? と思ったけど、女の人かな・・?(口調的に)
続きも読んでみます^^



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