春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」8
- カテゴリ:自作小説
- 2010/09/02 23:45:32
「警部、面白い話が聞けました。」
デカ部屋に飛び込んできたのは小上刑事だった。
「面白い話?」
木村は長椅子から飛び起きた。連日の疲れが出たのか丁度、仮眠を取っていた所だったのだ。
「ええ、現場近くの饅頭屋が話してくれたんですが、害者と共に女がいたらしいんです。」
「女?」
「ええ、二十から三十位の髪の毛が長い女だったそうです。なんでも、害者と一緒に饅頭を買いに来たとかで。」
「何時頃だ?」
「今日は弘法さんだったので、詳しくは覚えていないそうですが、昼過ぎだそうです。」
「と言うことは、12時過ぎということだな。 で、その饅頭屋の場所は?」
「東寺東門の北寄りにある饅頭屋です。」
「それで口に饅頭の欠片が付いていたのか。 しかしそれよりも、その女の行方を探さんといかんな。」
「犯人はこの女ですかね。」
「分からんな。だが、重要人物であることには間違いない。 しかし今日が『弘法さん』 の縁日だったのが悔やまれるな。」
「ええ。数万人の観光客でごった返しますからね、この日は。」
「しかも人目に付きにくい宝物館のトイレときている。」
「普段でもガラガラですからね、あそこは・・・・。」
「しかし、毒殺するにはもってこいの場所だ。 所で、君は饅頭をトイレで食べるかね?」
「いえ、食べません。 しかし警部、普通はそんな所では食べないでしょ?」
「だな。 とすると、害者に持病があったのかな?」
「と、言いますと?」
「昼頃だろ? もし持病とかがあるなら、薬を飲む可能性があるじゃないか。 まあ、薬をトイレで飲むかどうかは分からんが・・・。」
「なるほど。 薬の中に青酸性の錠剤かカプセルを混ぜておけば・・・。」
「あるいは饅頭の中にカプセルを仕込んだか・・・。時間差でそれが溶けて、トイレで倒れた・・・。 まだ解剖の結果が出てないから、何とも言いようがないんだが・・・。」
「とりあえず、害者の病気の件。警視庁の方に問い合わせてみます。」
「ああ、頼んだよ。」
小上刑事は部屋を出ていった。 木村は窓の外を見ながら呟いた。
「女・・・、か。」





























重ね重ね、ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。
原作者 トチロ~こと 神風 香京
第1章、楽しませてもらいました^^
ここまで読んで、事件がどのような展開を見せるのか気になってきました✿
続き、楽しみにしています♪
しかし、スイマセン。 2章以降は、まだ校正が終わっておらず、現在、急ピッチで作業を進めています が、なにぶん原作を書いたのが17歳の頃なので話が繋がっておらず、校正と言うより、新たに作製している感じの方が強い気がします。なので、ここから先は掲載に時間が掛かると思います。
度々、読んで下さってる方々にご迷惑をお掛け致しますが、楽しみにして待ってられる以上、僕も中途半端な作品にはしたくないので、全力で書き上げて行きたいと思ってます。どうかその旨、ご了承下さいますようお願い致します。
原作者 トチロ~こと 神風 香京
※ 神風 香京(かみかぜ かきょう)は僕のペンネームです。決して本名ではありません。