機心<あとがき>
- カテゴリ:自作小説
- 2010/08/30 00:15:23
本作は自我をテーマとしたSF調の実験小説です。
物語は、自立機能を与えられた迎撃戦闘機のAI(人工知能)が、ミッションの中で自我を確立してゆくというもの。
描きたかったのは、自我が確立する過程(プロセス)だったので、主人公はあえて人間ではなく、人工物=マシンとし、客観的視点を重視し、モデルを構築しました。
主人公のAIは、私の個人的趣向性も相まって、汎用のものではなく戦闘機という設定にしてみました。
外環境は敵か味方というモノクロの世界の中で、戦闘システムという集合の一端として生み出された個が、やがて自律的な個性というものに目覚め、その世界に曖昧な現実という概念を見出します。
心や感情といったものがあまりにも身近に在りすぎて、客観視し難いような気がして、考えれば考えるほどにわからなくなる。そこで、逆に人間ではない異質的存在がそれを有するとすれば、より客観的にそれを認識できるのではないかと思って、人ではなくAIという作られた存在を主人公にしてみました。
人間同士のドラマだと、どうしても人間的共感性が喚起されやすく、抽象的になりがちで、輪郭が甘くなってしまっているのではないか、と思ったりすることもあるので。
ただ、機械(被造物)と人間という対比的関係性についてはあまり書かれていないので物足りない部分があるかとも、反省しています。
少しでも、お楽しみいただければ幸いです。
それでは、またどこかで。
2010年8月29日自室にて。
萌☆もっこす
PS.ご感想をいただけるととても嬉しいです。
どのくらいの方々が本作にお読みいただけているのかも手前にはわかりませんので、
読みましただけでも結構ですのでよろしくお願いいたします。m(_ _)m
コメントありがとうございます。
最後の方で、最初のこじつけを行っていたりする部分もあるので、逆順で読んでいただいた方がわかる部分もあるかも知れません。
宜しくお願い致します。
こちらに来始めたとき、既に途中で、途中から読んでいたのですが
最後の方面白かったので、最初から腰を据えて読みなおそうと。
というわけで、最初の方に戻ってきます~!
こんなコメントで申し訳ありません。
コメントありがとうございます。
確かに、まだまだ勉強不足で、序盤は結構ノリで書いていた部分もあるので、背景設定なんかがめちゃくちゃで、伝え方も順序立てていない部分もあるかと反省しております。
ご指摘、ご指南は今後の作品で生かせればと思いますw
機械の視点から描くとなると、やはりアシモフ大先生のように感情移入の方法を巧妙にしないと、ポストサイバー系が大好きという方でもなければ、もう完全に作者の世界観丸出しで、SF愛好家にも倦厭されてしまう可能性大ですね。
自然と人工物の対比に、心理とか哲学的なテーマを混ぜた作品は大好きなので、今回、試しに書いてみたのですが、思う以上に難しくて、勉強不足もひしひしと感じております。
結構飽きやすいたちなので、ラノベ的な速いテンポの戦闘だのアクションだのといった部分は結構筆が進んだりするのですが、うんちくだの、理由付けと言った地味な部分ではどうしても筆が遅くなりがちで、当初の予定より終わるまでに時間がかかってしまいました。
コメントありがとうございます。
システム全体として見るなら、迎撃ユニット=端末兵器。個体として見るなら自律戦闘機というイメージになりますでしょうか。『雪風』と賞賛していただけるほどに完成度の高いような物ではないのですが、そうイメージしていただけるとは恐悦至極ですww
形状的には、空軍における戦闘機と呼ばれるFなんとかと呼ばれる飛行機っぽいものというよりは、ジャムやゴースト(大気圏戦闘は想定していないのであんなに流線形な形状ではないかもしれませんが・・・)むしろボールに近い(?)かも。
内容としては、結局、物語は機心システムによる事実の脚色というオチです。
簡略化すれば、こないだテスト中に同士討ちしたねんけど、なんでー?
ってなことを、機心システムという機械(?)で調べたら・・・
というお話です。
結局、システム内部の因果はわからないけれども、解析可能なメモリや外部観察による事象、事実なんかを突き合わせて総合分析結果のひとつ、とお考えたいただけたなら。
書き手と読み手のイメージには相違が多分にあると思われるので、仰っていただけると、手前といたしましてもいろいろとお勉強になりますので、今後とも宜しくお願い致します。
終盤はノリノリで読ませていただきました。
残念なのは開始しばらくは入り込みにくかったです。
もっとも。人でないものが自我に目覚めていく話なわけで、意図したとおりに表現できていれば、人ならぬ読者には感情移入しにくくて当然なわけで。
難しいな〜、と感じます。
序盤はシミュレートを監視しているオペレーター視点にするか、自我が芽生えた時点の主役の回想しての記述にする等、読者に感情移入しやすい構成にすると読み易いのかも。
テーマが面白いぶん、書くのは難しい話だったのじゃないでしょうか。
(しゃべる『雪風』だと思えばいいかな?)