歩調
- カテゴリ:小説/詩
- 2010/08/25 23:56:27
時の砂は、両手をすり抜けてゆく。
手足は、流れゆく時間をつかむことはできない。
なぜなら、自らにとっての時間とは、過ぎるものではなく、刻んでいくものだからだ。
時計の針が回るのは客観的な時間概念があるからにすぎず、自らにとって流れる時間がそれとは限らない。
個々の時間は互いに同調し、同じ時を刻ませることはできるが、流れが、その足をさらう事はない。降り回すことはない。
歩む速度こそが、私の時間。
足を出さなければ先へとは進まない。
無理に歩調を合わせる必要はないが、その合わせ方は知っていた方が無難かもしれない。
しかし、忘れるな。時<みち>が歩ませているのではない。
私が歩んでいるという事を。
やはり、明確な目指すべく目標/目的なりがなければ、知らず知らず歩調は遅れ、止まってしまう。
足は重く、竦んでしまうのです。
けれども、止まっていた派、それに甘んじていては、悪化や堕落はあっても、一向に改善はなされない。
やはり、進む以外にみちはなし。