Nicotto Town


人生カカト落とし


最近のアニメとか

例によって、昔と較べると数見なくなったな~、とか言いつつ、やっぱりちびちびとアニメーションを見ている。

この夏期一番面白がってるのは、ダークホース『世紀末オカルト学院』かも。
見てみるまでは、まるっきり、少しも、まるっきり期待していなかった。
うさんくさい題名。そのうえ「『ムー』公式監修」
って何ですか?

いや、その「なんだかな~」な、あんまりさで一遍見てみるか、と思ったのだが。

舞台は1999年だわ、タイムリミットは七の月だわ。
でもって2012年の未来は破滅の危機にさらされてるし。
今時ネタにノストラダムスの予言ですぜ、マヤ滅亡の暦ですぜ、いもやうw
腹立てて身近な物をブン投げてたら、宙を飛ぶのがオーパーツだったり。
色々アレなネタ満載。当時のオカルト番組的ないかがわしさと付きものだった突っ込み、それらのグダグダな空気みたいなものを思い出す。

なんというか、楽しい。
映画等々のパロディ満載。うさんくささ満載。
なんだけど、ヒロインのマヤがオカルトに詳しく、しかし反感をもってるキャラなので神秘主義万歳、にはならない。
絶妙にゆるくて、笑える活劇ありのコメディになっている。
作画がときに力尽きそうになっているけど、なんというか見ていられる範囲だ。

ツンデレというよりツンギレっぽいヒロイン、マヤが実に表情豊かで、凛々しく、可愛い。
ナックルがわりにバングルを拳にはめて人を殴るヒロインはどうよ、とは思うがw、ぶっ飛ばされてるヤツの懲りない自業自得ぶりもあるので笑えてしまう。

クラスメイトが疑似臨死体験で人格がかわってしまった事件の話なんて、「不思議なことを愛する心」とか『星の王子様』の「大切なことは目に見えない」でジンとくる感じに盛り上げて、総員口あんぐり、台無しのあのオチですから。

笑いながら、ゆるゆると楽しんでいる。


ついでに、ほとんど見てなかった前春期、それでも楽しんで見てたのが『四畳半神話大系』、アニメに向いてないネタを、アニメならではの作品に仕立てた傑作だと思う。

絵は気付けばグイグイ動いているし、声のキャストもとてもイイ。
特に主人公は、凄まじく長くロクでもないモノローグをこれまた絶妙な早口でしゃべり倒す。
演出が「シャフトっぽい」と言う人もいて、確かに最初似ていると思ったが、違った、共に面白いけど、こっちの方がより好きだ。

オサレアニメ扱いしている人は、まともに見ていないはずだ。
オサレにしたらあり得ない、おっぱいクライミングとか、ジョニーとの対話とか、ノイタミナ枠が(一応)女性狙いだという情報を疑うネタに大笑いした。
それでも下品じゃない(個人主観w)のがイイ。

この原作者の作品は、デビュー作の『太陽の塔』は読んでいたものの(なので、アニメのゴキブリキューブのくだりに笑った)、こちらにそれなりの学歴コンプレックスがあるせいだろう、「あれは京大の看板があるから許される芸風だよなぁ」とちょっと苦手だった。
が、アニメを見てそんな意識が吹っ飛んだ。

本人にとっては日常だし、どこの学校に行っていようと、どんなステイタスのある場所にいようと、グダグダな生活はグダグダだし、駄目なものは駄目なんだ! とw
どんなところでやらかしていようと、駄目だったり、苦しかったりはするし、で、やっていくしかないのだ。

積ん読になっているこの原作を読もう、と決心した(掘り起こさねば)。

九話だったかな、師匠の説教『薔薇色の学生生活などない。何故なら人生は薔薇色ではないからだ』『何をしても無為な生活をおくるだろうが、無為な生活を満喫したまえ』云々、あり得たかもしれない人生を想うより、今の自分を認めてそこから生きていくしかない、っていうのが、なんというか胸に来た。

ちょっと見にループにも見えるこの話、最後まで見るとはっきりわかるが各エピソードはパラレルで、ぶんまかれた伏線が収束し、終わりはクダラナイと思っていた人生の楽しさ・素晴らしさに見事に着地する。
そう、いつだって『幸運はあなたの目の前にぶらさがっている』のだ。

かっちりと良くできた作品を見てみたい方には試してみるのをお薦めする。
つまらなく思える日々の見方がすこ~し、変わるかもしれない。




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