~争いのない世界~*懐かしき妹との再会Ⅱ*
- カテゴリ:自作小説
- 2010/08/20 07:37:20
皆を助けられたら命はいらない。とにかく、力がほしい。
そう強く願って、聞こえたのは両親の形見でつけていたネックレスからの正体不明の声。
正体不明の声は、玲の頭の中だけで話しかけ、いくつかの質問をする。
正体不明の声の質問に、間髪を入れず答える玲。
呪文を唱え、光に包まれ再び姿を現すと、まるで別人のような玲だった。
姿が変わると、体の中で不思議な力が満ちたように何もかもできるようだった。
試しに、足に巻かれたツルを触れた。
すると、ただ触れただけなのにツルはちぎれた。
今だったら何でもできる。
そう思うと、玲はゆらりと立ち上がる。
玲「妹を…煉を離しなさい」
月「この生意気な小娘はあんたの妹だったの?」
玲「それが…なんだというのよ」
玲はそう答えると、月は不気味な笑みを浮かべる。
月「だったら…、あんたの目の前でこの子を刺したらどうなるのかしら?」
玲「……!」
月「動かないほうが良いわよ。動いたらちょっとずつ切り刻むから」
鋭い目で玲をにらむ月。
動こうとする玲を脅し、小型ナイフで煉の髪をちょっと切る。
玲「なら…!」
月「手も動かしちゃ駄目。」
玲は手を前に出し、魔法を出そうとしたところに月が言う。
月「貴方は今ここで私に切り刻まれるの。仲間達や、妹さんの目の前でね」
月はそういうと、チラッと慧璃を見た。
月「そういえば、同じ意思を持ってるって事は、あんたが死んだらそこの金髪のショートカットのお嬢さんも死んじゃうんじゃない?」
玲「なんですって!?」
何も知らなかった玲を見て、月は少しだけ笑う。
玲「慧璃…そうなの?」
慧璃「………」
玲「嘘でしょ!?ねえ!」
知らなかったことを聞かされ、玲は慧璃に聞いた。
慧璃はつらそうに玲から目を逸らす。
慧璃「ごめんなさい…。真実です…」
玲「そんな…!」
真実と言われ、酷くショックを受ける玲。
月は笑って、慧璃の言った言葉を付け足すように言う。
月「ま、そういう運命だからね。もがいても無駄。あきらめなさい」
月がそういうと、玲はギリッと歯を強く噛み締めた。
玲「運命…?運命ってなんなのよ!それは神が作った法律のようなもの!私は…、もし神がその運命とやらを作ったというのなら、私は許さない!運命なんて…運命なんて私が覆して見せる!」
そう叫んだ瞬間、バチバチと電気が飛び散る。
玲は魔法が使えなくとも、自然と電気が飛び散らせる。
玲「神って何なの?運命って何?神なんて、本当にいるわけがないし、もし居たとしてもそれに立ち向かうだけ!」
月「何を…」
月が言いかけたとき、後ろから白い蝶が数匹飛んでいた。
びっくりして、後ろを振り向くと同時に煉と小型ナイフを手放す。
煉は急いで立ち上がり、小型ナイフを握って玲の処へ戻る。
白い蝶が玲の下へ飛んでくる。
玲は蝶に気づき、顔を上げた。
白い蝶の正体は、雪属性を得意とする塑羅の召喚獣だった。
塑羅「このくらいしか出来ないけど、これでよかったのかしら?」
玲「………」
塑羅の顔を見て、玲は頷く。
玲「妹がこっちに居るんだから、十分よ」
今までの倍返し。
玲は水属性の妖怪・ウンディーネを操り、自分はさらに光属性の魔法を出す。
玲「"この世を照らす光、その輝きで闇を消し去れ!"」
月「くっ…!」
眩い光に目を瞑る月。
あまりにも眩しいものだから、目を開けられずには居られないのだろう。
月「引き上げよ!引き上げるわ!」
月はそういうと、テレポートで基地ごと消えた。
玲たちは何がなんだかよく分からなかった。
さっきの出来事は夢だったのか…?
ずっと月の家来達と戦っていた美波達があたりをきょろきょろ見渡している。
でもきっと夢じゃない。
戦いでつけた傷や、玲の服装。
それらを見たら、夢ではない。現実だ。
玲はため息をついて、笑う。
玲「さあ、召喚族の里に戻ろう!」
ここで気になるのは、テレポートで消えた月。
倒したわけじゃないので、まだ生きている。
またどこかで、玲を狙っているのかも…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
ふっふっふ~
終わると思ったか!(タヒレw
まだ一話続くんだから!(ダカラタヒレw
感想待ってます!

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- 霧雨☆魔理沙
- 2010/08/21 14:50
- ずっとって…、オリキャラ?
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- 東風谷*早苗
- 2010/08/21 10:54
- もうこの際ずっと出しちゃって頂戴w
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