■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(31)
- カテゴリ:その他
- 2010/08/11 12:20:34
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 七(3)
ロマンチシズムとネチュラリズムとは文藝上一般の問題であるが、十九世紀の繪畫の上に人間本位と自然本位との傾向の見はれるとき、こそに一種特殊の現象が生じた。それは即ちヒューマニズム(Humanism)とネチュリズム(Naturism)の對照である。假に前者を人間本位と譯し後者を自然本位と譯したら得も其の意に近からう。ヒューマニズムといふ語は最近ヨーロッパの思想界に行われて所謂プラグマチズムの別稱のやうに解せられてゐる。併しながら、十九世紀文藝の上に早くから當て嵌められてゐるのとは、根本に通じた所もあるが、違つた點も多い。文藝上殊に繪畫上のヒューマニズムは元來ロマンチシズムの自然の結果又はそれから派出したもので、夫のセンチメンタリズム(Sentimentalism)などゝ相通じ、凡てのものに感傷を寄せる、詩人バイロンやキーツ等に見えた感情誇大の傾きの一面と見てよい。すなはちあらゆるものに感傷を寄せる結果、人間自己の感想を直に非情の自然物にまで移し、自然物をも人間として取り扱ふ。若くは人間の感情を語り歴史を語らんが爲めに自然物を道具に使ふ。人間本位眼で凡てのものを見る。
--------------------
*註1:文藝
「文」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bun_aya.jpg
*註2:世紀
「紀」の俗字(か?)。「糸」+「已」。
*註3:繪畫
「畫」の俗字体(一説に本字とも)。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ga_kaku.jpg
*註4:前者・後者
「前」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen_mae.jpg
「者」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/mono.jpg
*註5:近からう・最近
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註6:所謂
「所」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/tokoro.jpg
*註7:併し
「併」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/shikashi.jpg
*註8:通じた所・相通じ
「通」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
「所」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/tokoro.jpg
*註9:違つた
「違」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註10:又は
「又」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/mata.jpg
*註11:感情・非情
「情」の正字体。「月」は「円」。
*註12:歴史
「歴」の旧字体。「林」が「禾」+「禾」。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/reki.jpg
「史」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/shi_humi.jpg
*註13:道具
「道」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
--------------------
■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
で本題の感情だしすぎて・こまってますよ。夜の訪問されるので
変な子来るんね、逃げてるよ。ここに・緊急避難所です
難しいですねいつも・ここ・明日はいそがしいね・ニコた