機動戦士ガンダム 公国の威信05
- カテゴリ:自作小説
- 2010/08/04 17:39:10
ハンブラビは、肩のメガ粒子砲を乱射してケンプファーを迎え撃った。
相当の動揺が見られたが、レンは落ち着いて横っ飛びで攻撃をかわしながら
間合いを詰めて行った。ウラノスはミサイルで援護射撃、ジョゼフのゲルググも
次いでコロニーに侵入し、湧いて出てくる雑魚共を潰して行った。
ゲルググのレイリー機と、ゲオルギーのギャンが艦を守るために待機していた。
「ミリッッッ・・・バキィィィ!」
ウラノスのミサイルの流れ弾でヒビのいったコンクリートに、ジョゼフのゲルググが
足を取られた。ハンブラビはそれを見逃さず、右手に持っていた物体を
ゲルググ目掛けて撃った。
「がはァァァ…ッ!」
「マーチス?!」
ワイヤーから高圧電流が流れ、ゲルググは身動きが取れなくなった。
が、ハンブラビも動きが止まっている。
「おおおおおっっっ!!」
ケンプファーは体を前に倒して滑空体勢をとり、背中のバズーカを乱射した。
バズーカからの弾丸はハンブラビの右腕を砕いた。そのままケンプファーは
左腰のメガビームサーベルに手をかけた。これは、先の大戦のものを大型化したもので、
リーチ、切断能力ともに旧式の比ではない。これを、太刀の居合い切りの要領で
レンは振り上げた。一閃、赤い光がハンブラビの青を貫いたと思うと、
青は灰と消え去った。ケンプファーは刀を腰にゆったりと納めた。
沈黙が、その場に広がった。
「レン、マーチス拾ってさっさと帰るべ。敵さんが来るぞ」
「さっさと拾ってくれぇい、お二人さんよぉ」
「ちょいと待ってくだせぇ・・・っと」
まだ足が埋まっているゲルググの足元に、レンは右腰のロケットランチャーを向けた。
そして、ゲルググは空高く舞い上がった。
「もうチョイいい方法があんじゃねえのか?」
そのまま3機はコロニーを脱出し、帰艦した。
「ご苦労さん。初陣としてはまずまず・・・ってとこか、マーチス?」
「はぁい、ど~もすいませんね~ぇ」
全員、苦笑。
「まぁ、ミッション目標は達成したんだし、結果オーライじゃない?」
レイリーが総評をまとめた。彼女はいつもしらけた空気を取り持たせた。
「んじゃ、食堂へ集合して祝杯だ!酒、あるよな?」
「艦内は禁酒だ・・・が、料理長に腕をふるわさせようか」
そして、40人のクルー達は歓喜に酔いしれた。
歴史に残る大戦、この「グリプズ戦役」は、まだ始まったばかりであった。
ケンプファー性能あがっとる