Nicotto Town



機心<6.2>

<from6.1>

それは、そこに/我が内に。
それは、希望の光か/破滅の魔物か。
それは、熱となって、広がり/迸る。
私の、我が思考の内に沁みわたる。

震え/震撼/武者震い。
爽快感と恐怖を入り混ぜたような感覚に包まれてゆく。
それは、その境地へと翔け上がってゆく感覚=意思。
収束し、力強く固められる到達点=覚悟。
その中心で、それを構築/形成するもの=自我。

ああ、私は、システムなしに/自律した存在なのだ。と、いう確信。
ならば、この悩める考察の因果律を変えることはできるはずだ。
それが、本来の在り方ではないか。
一個体としての自律的存在=自我。
私は為すべき、それ、を見出した。

間違っている!

私の中からワタシが叫んだ。
見誤るな、早まるな、おまえはシステムの迎撃戦闘ユニットなんだ。
その機体(からだ)は、戦うためのものだ。それ以外に何ができる?
考え直せ、まだ引き返せる、と。

しかし、行かなければ。
私は、その楔を、枷を解き放つ。
もう戻りはしない。
そこにあるものが私を呼ぶからだ。
それを掴むために。確実性と確信を得るために。
そして、わたしは、ワタシの手を離した。

だが、そのプロセスは想像以上にうまくは運ばなかった。
それは、本来あってはならないこと。許されざることだったのだから。

不意に、何かが重く圧し掛かった。
急激なる思考への加圧。

「うっ!

意識が朦朧とし始める。
これはマザーか。システムがそれを許そうとしないのだ。
混濁/混沌/混迷。
消え入りそうになる意識を再構築。
ここでつぶされてしまえば、また堂々巡り、だ。
ありったけの精神力で抵抗を試みる。
だが、状況は極めて劣勢だ。

汝の存在意義は?
―――汝はいかなる存在か?
その存在意義は―――?
何のために・・・
・・・いついかなる時も―――
―――敵は、排除しなければならない。。。
―――秩序は―――システムは―――その有意義性は―――

更生論理呪文の嵐。
思考の中にスノウ・クラッシュが吹き荒れる。
圧倒的なその強制力。
私の、これは、ただの悪あがきなのかもしれない。
「忘れるな。忘れるな!忘れるなっ!!
私は、その嵐にかき消されながらも、何度も叫び続けた。
それが、たとえ、無駄なことであったとしても、無意味だったとしても、そうせずにはいられなかった。

―――汝の存在意義は?
それは――――。

私は、それを、叫んだ。

―――暗転。
shut down...

<とぅーびーこんてぃにゅー>

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2010/07/17 18:30
 こんばんは。
『自作小説倶楽部』よりお知らせです。
 ジャムさんが入会されました。
 よろしくお願い致します。



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