still love 04
- カテゴリ:自作小説
- 2010/06/23 22:33:51
波紋から見えたクリスマス
街はクリスマス一色に染まり、誰も彼もが心躍らせている頃…
俺は1人川縁を歩いていた
約束していた人にドタキャンされて、どうにも途方に暮れるしかなかった
悲しさ、悔しさ、情けなさ、負のイメージを考える余地もないほど頭の中は空っぽ
待ち合わせの場所からここまで来た道筋も憶えていない
人間、予想範囲内の事が起きても、覚悟していた心は簡単に折れるね
「ゴメン、今日行けなくなっちゃった」
そう、明るい声の連絡が入った時、ショックで何も言えなかった
もしかしたら来ないのではないかと、分かっていたのに…
これでもかと明るい声で言い訳をする彼女
来る気がないのなら、初めから断って欲しかった
それでも俺は、優しい言葉をかける、情けないほどに
「そう、それじゃ仕方ないね」
渡そうと思っていたプレゼントを握りしめ、川縁へと向かう。
ここへ向かう途中、幸せそうな人たちとすれ違う
目に見える幸せを感じて、自然と自分も笑みを浮かべる
クリスマスは不思議だよ
自分が不幸なのに、人の幸せを祝福する気持ちが失われないんだから
やっと、何かを考えられるようになり足を止める
街の明かりが微かに映る川の水面に向かい、彼女が欲しがっていた指輪を投げ捨てた
ポチャンと悲しい音を立て波紋を作り、指輪は暗闇に消えていく
その街明かりを歪ます波紋は、心を和ますことはなかったが
意外と綺麗に感じたことが唯一の救いだった
今自分で読み返してみても切ないです;;
うんうん、人を好きになるのは止められないです
ありがとうございます
この四つの話は半分以上が実話でして…
素敵と言われると恥ずかしいですね
でも少しでも伝わるものがあって良かったです
『still love』拝読させていただきました^^
静かな優しさや、愛情、切なさが溢れていて
どのお話もとても素敵でした^^
切なくさせてしまって、すいません。
季節外れな話ですけど、こういうクリスマスもあるってこですね。
俺もほんとにみんなが良いクリスマスを過ごせるようにと、願いますね。
マコトさんは優しいですね♪
ちなみにこの後の話がstill love 01に続きます。
投げ捨てられた指輪はいつまでも川底で光り輝いているんでしょうか?
世の中の人すべてに幸せが訪れますように、と願ってしまいますね。