インドのG(3)-2
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2010/06/17 21:34:20
もう一度言っておきますが、20年ほど前の話です。
今は違うと思います。
多分。
店員にトイレを聞くと、台所でランプを借りてまっすぐ行ったところだという。
外に出て見回しても何も見えなかったが、道らしいものはあったし、とりあえず歩く。
結構歩くな、本当にこっちなのかな。
どう見てもここ畑なんだけど、もしかして畑でしちゃってね、ということだったんだろうか、と思い始めた頃、前方に小さな小屋が見えた。
小屋というか、トイレである。
高床式で、半分はしごのような階段がついている。
ああ、つまりここは肥溜め兼なのだ。
確かにこれは合理的な作りだ、すぐに畑に撒けるし。
トイレを利用するほうは面倒だけど。
と思いつつドアを開けると、壁で仕切られた天井は空だ。
満天の星空の下、用を足すのは妙に開放的な気分。
でも雨が降ったらみんなどうしているのだろう。
そんなことを考えつつ用を足し、ドアをあけ、閉めた時、その手のすぐそばに黒い物体がいるのに気づいた。
ライトを近づけると・・・奴だ。
う、と思いながらよくよく見ると、ドアのあちこちについているではないか。
私は開放感のあまり隣人に気づかなかったのか。
行きに気がつかなくてよかった。
と思いながらもあまり緊迫感がなかったのは、彼らがそろってのんびり屋さんだったからだ。
なんか見るからに動きが鈍い。
日本の奴らがかさかさかさーっと突っ走る車なら、こっちの彼らは牛車だ。
暑いせいで動くのが面倒なんだろうか。
しかも日本のより小柄であまり平べったくもなく、アーモンドみたいな形。
こんな奴らなら怖くないね。
そんなことを思いながら歩き始めた私だが、1匹に気づいたら目が慣れたのだろうか。
あぜ道のそこここで奴らがのんびり生を謳歌しているのに気づく。
やあねえ、行きはそんなに切羽詰っていたのかしら、ぜんぜん気づかなかったわ。
なんてのどかに考えていられたのは台所に入るまで。
台所は土間で、みんなそこに立て膝や胡坐姿で物を切ったりすりつぶしたりしているのだが、そのまな板の上を彼らが通過していく。
壁や床でのんびり運動会したり、火のそばにより過ぎてあわてて逃げ出す奴ら。
もちろん誰も騒いだりせず、鍋やボウルに近づきすぎた奴らを追い払うだけ。
きっとこの虫、ここでは土間でアリが這うくらいの感覚なんだろうな。
何で私、さっきまでこの虫がまったく見えなかったんだろう。
元の席に座り周りを見回すと、確かに壁だの床だのを彼らがのんびり移動している。
あまりにのんびり過ぎて、脳がGと認識してなかったんだろうか。
店じまいだと外に出され、しばらく桟橋で荷物の上に座っていたが、確かに床のあちこちに彼らはいた。
ま、彼らのほうが先住者だし、飛ばないからいいか。
南下したアレッピーのホテルは、個室のはずなのに私のほかに先住者がいた。
彼らがかさかさ言うのはやはり気になった。
けど、宿に言ってもきっと「この女、神経質だな」と思われるだけで何も変わらないだろう。
大体ここら辺の宿は暑い土地柄のせいか天井近くに風通しの網戸が着いているので、彼らは出入り自由なのだ。
とりあえずシーツをかぶって寝れば直接接触はないはず。
電気をつけたままにすれば彼らも少しは遠慮するかも。
あとで聞いた話だが、もうちょっと南下すると彼らはもっと大型になり、しかも飛ぶ種類になるらしい。
かなりの高級ホテルに泊まっても一晩中ブーン、がちっという音に悩まされるという。
私は幸運だったのだ・・・
3部作、最後まで読んでくださりありがとう。
あ、間違えた、こっちは屍か。
おーい、じゅげむさ~ん?
ちゃいかさん
うーん、でもGも動き出す直前に力を溜めてこっちを伺っているようなところ、ありますよね?
ということは瞬発力がすごいんですね。
私は彼らのまっすぐでない、奇妙な軌跡が怖いです^^;
人事だし20年前だし・・・と自分に言い聞かせて・・
そういえばこの前、読んだ「グラップラー刃牙」にGは地球上で唯一無二、初速がMAXであり
加速を必要としない・・とあったけど本当なんでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(返事はないただの屍のようだ)
昨日はありがとうございました。
またお話ししてください^^
そう、あの速さがなければただの昆虫なんですよね。
でも今でも団子はいやです・・・
ジョバンニさん
怖いですね~
私も聞いた時には固まりました^^;
でもG(とヤモリ)以外はとてもいいところらしいですよ。
そこ、ヤモリも壁をぺたぺた歩き回っているそうです。
イチゴイチエさん
カブトムシちゃんだって、顔に向かって飛んでこられたら叩き落としちゃいますよ^^;
彼ら、足がするいどいんですもん。
お顔から血が出ちゃう~
まあくん
何でかばったかこおろぎくらいの感覚になってしまうのです。
慣れって怖い。
でも私も日本の先輩には戦いを挑みます。
おりゃあ~!
Rino様
お読みいただき、ありがとうございます。
しかも嬉しいお言葉つき♪
でも本当はGの魅力にやられてしまったのかもしれませんよ^^;
怖い怖いと思いながらもつい読んでしまうインドのGシリーズ。。。
Gの魅力、ではなくglycogenさんの文章の魅力だと思います^^;
でも、空間にマッチしてる・・・生活に溶け込んでいると言う事には驚きです。
見てみたい様な・・・。・・・同じ地球の住人だし、先輩ですしね・・・。
でも、日夜先輩と闘っている私なのでした。・・・プシュー!おらあー。
最後のぶ~ん、がちっって怖くなっちゃった><
日本のGちゃんは、平べったくって、動きが超はやくって、
追い詰めすぎちゃうと、お顔に向かって
「パサササ・・」って飛んできちゃうから怖いんだよねっ><
カブトムシちゃんなら、ぜんぜん怖くないのに・・
見たくはないです…orz
ラスト3行で凍りました。
かぶとむしかぶとむしかぶとむし、と自己暗示かけるしかないのかしらん…(;∀;)