サークル『一寸先はお花畑』 イベントテーマ『雨』
- カテゴリ：自作小説
- 2010/05/27 00:18:56
カフェから雨をぼんやり見ていた
温度差のためか、やや曇ったガラス越しに
重力に惹かれ、水滴が地表を濡らす
落ち行く雫が描く、一条のラインはとても美しく見えた
やがて、雫は地表に到達し、えもいわれぬ音を奏で消えてゆく
その光景は少し悲しく思えた
この雨が、僕の過去を洗い流してくれるのだろうか？
そんな気がしていた
「ありがとうございました～」
そんな気分だったからだろうか
少し雨に打たれてみようと思った
店を後にして、傘を開く
歩道にでると、すぐに雨粒がリズム良く、傘を叩いた
そのまま、少し歩くことにした。
人波に逆らうように
遥か遠くに、花柄の赤い傘が見えた
その傘は、引き寄せられるように近づいてきて
僕の傘に、触れた
不意に交わる視線
それは、心の渇きが見せた幻影？
目の前にいるのは誰？
見間違うはずはない
確かに彼女だった
胸に、本を抱えたまま
彼女は、小さく会釈をすると
そのまま立ち去ってしまった
僕の方は、立ち尽くしたまま
視線だけは、彼女を追っていた
駅へとたどり着いた彼女は
ゲートの手前で、一瞬こちらを振り返ると
少し泣きそうな顔をして、寂しげに笑うと
傘をたたんで、消えてしまった
次の日も雨だった
僕はまた、傘を差して街に立っていた
追い求めているのは幻影？
それとも過去？
花柄の赤い傘を見つけるたびに
少し覗き込んだ
茶色のショートカットを見つけて
どうしようというのだろう？
自分でも、良くわからなかった
やがて花柄の傘どころか
全ての傘に関心をなくした
眠るように目を閉じ
それでも立ち尽くす
誰かの傘がぶつかることもなく
ただ、傘に当たる雨音だけに
集中していくと
やがて、辺り全ての音が消えていった
どれぐらい経ったのだろう
傘に振動が伝わって我へと帰った
トントン 一定のリズムが傘を通して伝わる
なんだろうか？
トントン
尚もリズムは続いた。
ゆっくりと振り返ると開いた傘で、僕の傘をツンツン叩いている女性がいた。
（あっカフェの？）
女性は、はっきりした声で言った。
「あの～雨上がってますよ？」
気が付けば、いつの間にか雨は上がっていたようだ。
傘を閉じ空を見上げた。
ビルの谷間には七色の橋が掛かっていた。
『雨上がる』
でも翻訳の文をは少し奇怪です...
本当に私がすべて分かることができることを望みます
雨の後に虹はとても美しいです..：3
MVP・・（*^_^*）ありがとうございま～す（*^_^*）
パソの前で・・本当の私も喜んでます＾＾うれちぃ♪
やっぱり。。。とっても素敵ですね。。。読み進めるのが わくわくドキドキ♪
恭介さんのワールドにハマりそうです＾＾☂ 雨って難しいと思っていました。
恭介さんの 流れるような。。。ドラマのワンシ――ンの様な。。。なんだか切なくもあり。。。
光景を想像しながら 何度も読み返してしみました。。。素敵です――☂
彼も過去を少しでも吹っ切れると良いですねｗ
読んでいる間、恭介さんの世界で夢を見ていられました。
幸せな時間をありがとう。
いつまでも書き続けていってくださいね。
好く伝わって来て泣けちゃうよョ♫(@^^)/~~~
今日、帰りがけに突然雨が降り出して、たいした雨でもなかったし傘持ってなかったから
そのまま打たれて帰ったんだけど、雨が降ってる中、空見てみたら
小雨なのに顔にあたると“痛いんだ…”って思ったんだけど、
雨の日に傘をさすのは当たり前と思ってて、なんか新鮮な感覚だった。
ということを今思い出した～(^･o･^)ﾉ
なんか光景が浮かぶ…。
今日は冷たい雨でした。
こんな出会いは心に残ってしまいそうですね。。。
何かを求めて探してしまう…。探したってどうしようもないのに。。。
ちょっと切なさもあったけど、虹がかかったことで何か変われたようにでも
思うのですが。。。
朝から、いいものを読まさせてもらいました♪(^_^)
さすが・・ですね・・
はぁっ・・ってなんか・・ため息出ちゃったりしています(^^ゞ
ブラボーですね（*^_^*）ぱちぱちぱち～（●＾o＾●）
雨はキライだけど、彼女に逢う為だったら、そんな雨も好きになれそう。
お話書けるってすごいなぁ。
読みふけってしまいました。