ストリートライブ
- カテゴリ:音楽
- 2010/05/22 09:22:21
金曜日は、嫌いだ。
オペリスク関連の仕事が終わったのが21時。金曜日は、いつも机の周りを整理する日にしてるから、(じゃないと、本と論文と書類と文房具で机が支配される)片づけをして、終わったのが22時。
職場には誰もいないから、電気を消して帰る係。
今週は全然仕事進まなかったなぁ、職場の人と雑談とか、面白い話をしなかったなぁ、
ていうか、うちの職場、同時に2人も3人も休むから、無駄な仕事が舞い込んできたりして、
変なところで時間を割かれる。
電車の中で、そんなネガティブな事を頭の中で反芻しながら、リストのピアノ曲を聴きつつ、
到着駅まで眠った振りして帰る。酔っ払いの多い電車の中は、しらふの僕にはちょっとキツイ。
思考は汚れてドロドロしたコールタールみたいな発想を連想させてくる。
キツイ。
キツイ。
キツイ。
日常的な一週間だった分、非日常なスパイスが欲しいな、と思っても、非日常なんて、そんな簡単に道端に転がっていないよ、と思いつつ、駅に到着し、改札口を出て、駅の東口を出ると、ちょっと遠くでエキゾチックな音楽が聞こえた。
ピアノ曲が丁度終わったところだったので、外界から流れてくる音楽に気付くことができたんだけれど、その曲は何かのお店のBGMではなく、誰かが路上で演奏している曲であることが分かった。
というのも、東口を出たところで、ギター二人、ウッドベース一人の計三人の男性が、路上ライブをしていたのを視覚で確認できたから。
これは、非日常の入り口かもしれない、と僕は直感的に思った。この街で路上ライブなんて聞いたこと無かったし、こんな沈んだ気分で生演奏なんて聞いたことも無かったし、ましてや、エキゾチックな香りのする音楽なんて、普段聴かないから。
道端の隅のほうで、ちょっと聞いてみることにして、イヤホンを耳からはずした。アコギの人、上手い。リズムと音感がそこら辺のアマチュアより全然格が違う。一瞬、ラッキーな気分がした。良い音楽に出会えた、というラッキー。
ウッドベースも、何気に高等テクを駆使して弾いてるし、もう一人のアコギ弾きも、エキゾチックな気分になるコード進行を使って、音楽を形成させている。三人とも、レベルが高い。
2曲ほど終わった後、思い切ってちょっと前で聞くことにした。見渡すと、僕のほかにも数人のギャラリーがいて、その人たちが音を遮断させて、音が聞きづらくなってきたから。その時には、帰る、という選択肢は無かった。もうちょっとこのエキゾチックな音楽を聞いてみたい、と思っていた。
多分、この辺から、非日常の気分に浸り始めていて、曲を全部聞き終えた後は、さっきまで電車の中で考えていた悶々とした事は、全て吹き飛んでいた。いや、結局最後まで聞いちゃって、チラシをもらってバンド名を確認して、いつかまた路上ライブがあったら聞きたいな、という気分が頭を支配していた。
人の感情は、フラクタル。
そう、マンデルブロの提唱したフラクタルは、人の心までフラクタルで説明可能。
感情は、ネガティブからポジティブに、ポーンと、理由もなくジャンプしたりする。
そんな瞬間を味わった、金曜日。
昨日の金曜日は、深夜だけは、ずいぶんとマシな時間を過ごせたと思う。
素敵な路上ライブだったのですね
田舎なので路上ライブというものを聴いた事がないです><
私もそんな心を揺さぶられるような生演奏を聴いてみたいです^^