Nicotto Town


目指すは須らく予想の斜め上。


がんばれJAMSTEC

 またちょっと小難しい話。

 少し前の話であるけど、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の東京事務所にかかる経費が膨大だとして、事業仕訳第2弾の対象となる不要なもののやり玉に挙げられてという報道があった。

 確かに横須賀に本拠があるJAMSTECが、わざわざ東京にドでかい事務所を持っていることは不要であるのかもしれない。しかし、そもそも、ほとんどの道府県をはじめとして、都外に本拠を持つ自治体・独行法人が東京事務所を持っているのは、「国や国会議員とのパイプを持つためという目的があったんじゃないの?」というのは邪推でもないと思うのだが。

 これがすぐにJAMSTECの事業縮小や解体につながるようなものとは思いませんが、世界有数の海洋調査技術を持つJAMSTECが、こんな本筋ではないことから縮小なんてことになった日には、未来が不安になる。

 某国営放送の何とかXで放送されたこともあるから、知っている人も多いと思いますけど、JAMSTECの探査能力は私たちの日々の生活に生かされたことがある。気象衛星「ひまわり5号」の後継機になるはずだった運輸多目的衛星「みらい」を打ち上げることに失敗したH-IIロケット8号機のエンジン、そのたった3mの部品を3,000mの深海底から発見したのはJAMSTECである。この発見がなければ、H-IIロケット墜落の原因解明が不十分なものとなり、H-IIAロケットの開発はさらに数年遅れたかもしれない。そうなれば、既に設計寿命の倍ほど稼働していた「ひまわり5号」がどうなっていたか。次の気象衛星がうちあがるのを待つことなく機能停止し、富士山レーダーも運用をやめていたあの時期、天気予報の空白期間が出来ていたかもしれない。

 当時の国は、大きな故障も無かったことからか、予備機が打ち上がげる予算をつけることも無く、さらに同じ理由からか、富士山レーダーを無用の長物として廃止を決めた。「未来」の打ち上げ失敗といった、失敗を前提とした技術開発に失敗を許さない予算付けをし、その結果として綱渡りのような課題を現場に投げつけるような失敗をまた、繰り返すのだろうか(政策の失敗とも思ってないのかもしれないが)。

 宇宙開発や海洋開発は、今はそれほど表立っては注目されている分野ではないが、将来的に有望な分野であることは間違いない。

 ながわくば、金の卵を産む雌鶏を、今晩のおかずの水炊きの具にするために絞めるようなことはないように。

 てなことをつらつらと考える、春の夜。

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2010/04/28 12:28
 魚介類をはじめとする海産物は言うに及ばず、油田は当然のこと、レアメタルを生みだす熱水鉱床や冷水鉱床、マンガンモジュール、未来の燃料、メタンハイドレート。なんていった海底に眠る資源はまさに宝の山。

 実は、海洋開発や深深度地下開発って、航空宇宙開発より難しいって話もあるらしいです。宇宙とは気圧差が1気圧しかないけど、海でも地面でも深く潜ると数十気圧の圧力に耐えなければならないから、より困難だという話を聞いたことがあります。
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2010/04/28 07:30
地球の7割は海ですもんね。大事です。
事業仕分けって、やっぱりどこか変……。




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