Nicotto Town


目指すは須らく予想の斜め上。


はやぶさの帰還にむけて

 先日(4/21)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、(1)4/16付けでオーストラリア政府から着陸許可を得たこと、(2)現在の計算では、はやぶさの試料カプセルの大気圏再突入は6/13 23時(日本標準時)頃、そして1時間以内にオーストラリアのウーメラに着陸するであろうことを発表しました。

 南半球での突入なので、その日の夜空をいくら見上げても、カプセルの飛跡は見ることはできませんが、7年にわたる、はやぶさの長い長いおつかいの成果の無事の着陸を願って、南の空を望む人は、私も含めて少なくはないと思いたい。

 その時、はやぶさ本体は地表200kmを通過してゆく。そのあと戻ってくるときは、大気圏に突入し燃え尽きる時であるけれども……。

 打ち上げから帰還までだけでも7年の時間と、数億円をつぎ込んだ一大プロジェクトの成果が、予算の都合なんて言うくだらない理由で朽ち果てることのなく、次につながってくれるよう、切に願う。


 話は少し飛んで……つい先日行われた第2回事業仕訳で、JAXAの広報施設JAXAiの廃止が提言された。確かに、東京駅前にある必要は疑問だが、成果を広報する機会と場所を奪っておいて、「何をやってるのかわからない」って言われたんじゃ、立つ瀬がないだろうしなぁ。自然科学系の博物館も予算不足であえいでいるなか、航空宇宙技術や天文学部門の拡充を求めるは酷だろうし。

 院生時代、指導教官に「研究成果は論文を書かなきゃ意味がない」と言われ続けた。それは、「技術開発や研究の成果は世間に還元されて初めて生きるものである」ということだったんだと思う。有形無形、どのような形にしろ、成果を生かす場を奪っておきながら、成果が無いとか、自己満足の結果なんてことをいってはいけないんじゃないかなー。

 と、いうようなことをつらつらと考える、春の夜。





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