機心<1.2>
- カテゴリ:自作小説
- 2010/04/23 01:55:37
<from 1.1>
マニュバーリングモード>リエントリ。
航法管制をマザーと同期。
スラストリバーサ、オン。
相対速度を限りなくゼロへ。
マザーの腕へと飛び込む。
広げられるマザーの腕=アレステイングワイアネット。
相対速度、同期=ゼロ。
帰投完了。
<Data link, to Mother. You have control...>
管制権をマザーに移譲し眠りに就く。
それがミッションのサイクルだ。
ポッドから引き揚げられた経験情報データは解析にかけられ、修正/補正がアップデートされる。
アップデートが繰り返される度に、その性質は変性する。
それが成長だ。
しかしポッドのパーフェクトクローズド機能は、それ自体が判断基準=個体としての自我アーキテクチャを内包する機構。アップデートが繰り返される度に、システムのサブルーチンとポッド固有のアーキテクチャとの整合性は失われてゆく。
それを回避するため、ポッドには意識下にサブ・アーキテクト=オープンのバッファ領域が設けられおり、それを介しシステムはマザーという上位アーキテクチャによって並列的に半共有化され全体を構築している。
したがって、ポッドは互いにサブ・アーキテクチャで並列的な複合思考形態を有しながらも、互いに個としての個別意識を持っている。
それは、自分の一部でありながら、メタ思考的にクローニングアイデンティティともいうべき同一的思考系統をもった存在の関係だ。
少なくともミッション中、パーフェクトクローズモードで起動するポッドはそれ自体が一つの自我と意志とを持って任務を遂行する存在となる。
そして、それは、そのスタンドアローン型対電子戦機能が因子となって喚起された。
<とぅーびーこんてぃにゅー>
-
- スイーツマン
- 2010/05/03 19:31
- 私のなかの画像にはまだ人間が登場していません。もしかして主人公とはメカそのもの?
-
- 違反申告