Be:10 daichi
- カテゴリ:自作小説
- 2010/03/29 22:42:17
気がついたのは真夜中だった。
僕はベッドで寝ていたようだ。布団を剥がしながら、隣を見る。
ランプを挟んだ向こうで愛香がもう1つのベッドで寝ていた。
「起きてる?」
「…」
返事はなかったが、怯えていたせいか、揺れたその肩で起きているのが分かった。
「分かった、起きてないのね」
そう言って僕はベランダの方に向かう。
まだ4月。部屋には暖房が効いているのだろうが、僕には暑すぎた。
カーテンが引かれていたので、それを少し開けた。窓も少しだけ開放する。
一体いくらかかるのだろう。そう思わせる夜景だった。
いつもの高いビルが眼下に立ち並んでいる。
色とりどりの光も夜の静かな空気の中では穏やかに感じられた。
「風邪引くよ?」
「お母さんか、お前は」
「お前って言った」
少しだけ彼女が笑った。
「それでいいだろ」
「なんでもいいよ」
「…うん」
「今日、死ぬかと思った」
「僕も」
「あれって、作戦、だったんだよね…」
不安げに訊いてくる。
「狂っちゃっただけだよ。ロリに発情でもしたんだろう」
「うそ」
「本当」
「弱そうな女の子連れてたら狙われるから、あの人を…、
めちゃめちゃにしたんでしょ…?
あたしのことも…、その、そういうフリをさ…」
笑ってしまう。
「妄想力豊かじゃのぉ」
「じゃのぉ、って…。あのしょぼい男の人に掴まってる時に分かったんだ。
あと、少し我慢、って言ってたから…」
「好きなようにとったらいい」
「うん、そうする。…夜って、なんかお喋りになるね」
「そうか」
「うん…。そういえば、名前教えてよ」
「大きい地面で、タイチだ。ダイチじゃないから」
「うん、分かった…。タイチ、ね」
彼女の声に元気がなくなる。時計は夜の2時を示していた。もう、眠い時間帯だ。
「窓、閉めるね。おやすみ」
「うん、大地」
「おやすみ、愛香…」
彩以外の女子の名前を呼ぶというのはあまりない。せめてものお返しだった。
申し訳なさで、ひとり目頭を熱くさせていた。不安も作用していたと思う。
作戦は成功したが、ホテルを出る時はどうすればいいのだろう…。
今日も何気に一気に読んでしまいました。
殺伐とした未来になってますねぇ・・・。
太地と愛香・・・、この先、生き抜いていけるのか・・・
目が離せません。^^b
私はこの小説の何とも言えぬ雰囲気が、好きです。
ちょっと聞こえは悪いですけど、寂しくて質素で、それでいて少しの暖かさがあるというか何というか。
白くて何もない狭いお部屋に一つ、小さな火がついた蝋燭があるような……うーん、難しい。
そこまで飾りっ気がなくても、十分。そんな感じがします。
戦闘シーンも、読んでいるのが私だからかはわかりませんが何だかぱらぱら漫画みたいに過ぎていって、
格好いいなあ、って思いました。
主人公と同い年ではなく、小さな女の子。その子の動かし方によってお話は色んな展開を見せるんですね。
まだまだ序盤、もうすぐ序盤。
あと、余計な事かもしれませんが私のpcでは白鬼都市さんの小説が、
申し訳なさで、ひとり目頭を熱くさせていた。不安も作用していたと思う。
が、
申し訳なさで、ひとり目頭を熱くさせていた。不安も作用していたと
う。
に見えてしまうんです。後他にも改行されている部分の一つ前の単語が消えていて、
一瞬何の呪いかと思いました(笑)
もしかしたら私のPCが悪いのかもしれませんが、一応確認宜しくお願いしますね^^*