劇場に、ジブリアニメを見に行かないわけ
- カテゴリ:アニメ
- 2010/02/08 00:02:40
理由は簡単。
いくらなんでも失礼にすぎたから。
映画『ゲド戦記』、あれ、何事よ思ったせい。
作品も酷かったが、それ以上に経緯のいい加減さ、失礼さがあんまりだった。
今まで作ってた作品は面白かった。これからも面白いものは出来るだろう。
アニメーション作っている会社としちゃ、社員のことを考えてる方なんだろう。
それでも。
我慢ならない、したくないくらいの無礼千万さだった。
ちなみに、ジブリのHPで追っかけて見てた経過を元に判断して発言している。
現在ネット上で見ることが出来る原作者の控えめなコメントは、映画の監督のブログを読んで殺到した読者からのメールを受けて出された物で、そういう事件がなければ沈黙を守ったままだったろう。
原作者ル=グインが友人・マッキンタイアに見せられたトトロを気に入り、そう言えば過去〈ゲド戦記〉アニメ化のオファーが来たことがあると思い出して、今でもアニメ化する意志はあるのかと訊ねたことが始まりで、だから一部で言われるように
「一度は断ったくせにアカデミー賞もらった途端に指名した」わけではない。
(そもこの作者はアカデミー賞に価値を認める人ではない気がするんだが)
鈴木プロデューサーと宮崎駿が映画化の話をしに行った折、宮崎吾朗が監督することは話題にされ、了承されたものの、(サイト上にあった鈴木プロデューサーの発言によると)宮崎駿が作品全てに責任を持つと言ったとのことだった。
しかし、(これまた鈴木プロデューサーの発言によると)宮崎駿は絵コンテを見てさえいない、一切作品にタッチしていないのだ。
これ、訴えられでもした日には、負けるレベルの嘘ではないの?
何十年も前にアニメ化のオファーをしていたことや、原作『風の谷のナウシカ』を見てもわかると思う、宮崎駿は原作〈ゲド戦記〉に大きな影響を受けている。
それを書き終えた=〈ゲド戦記〉で感じたものを消化し、答えを出し、作品を作り上げたわけだから、もう決着がついているのだろうことは理解出来る。
だから今更〈ゲド戦記〉は作れない。そうかもしれない。
でもさ。だったら、作んなきゃよかったじゃん。
宮崎駿も人の親で、仕事一途にしてきた間に放置してしまった息子を、突っ込み入れて叩きつぶす(宮崎父なら口を出したら最後仕事をさらってしまうだろう)ことはさすがに出来なかったのだ、とは思った。
結果、宮崎吾朗は「素人が親の七光りで監督して、どうしようもない映画を作った」という評判から逃れられなくなった。
全くの素人が監督する、って話が動き出す前に止めようよ、関係者。
まるっきりの素人がグタグタでもなんとか形になる物をつくれたのだ、どこかで修行して経験を積めば、それなりの作品を作る人になる可能性もあったろうに。
そのあたり、実は人間のことなんざ関係なく、「会社」としての大人の事情だろう。
そんな状況で御輿にかつがれたのは気の毒だが、子どもじゃない以上、引き受けた責任は本人の物だ。
しかし、会社・作り手・原作者・原作ファン・鑑賞した人と、この映画で幸せになった人、いたんだろうか?
映画『ゲド戦記』は愚作だ。
宮崎駿の映画を見慣れている人なら、それらのカット割りだの構図だのにそっくりのシーンをやたらと見つけるだろう。
登場人物の行動の辻褄は合わず、ストーリーは意味不明だ。
(そりゃそうだ、原作三巻と四巻を実にいい加減にチャンポンにした上、アレンを理由もなく父を刺すバカヤローにしてあるんだから)
時にいい絵やいい動きがあるが、それを見るだに「こんな作品に貴重なリソースを」と腹が立つ。
映画を見て「なんかわからない、つまらない」と思った原作未読の人、あれを〈ゲド戦記〉とは思わないで欲しい。
原作を読んでみるといい。
若い人なら三巻まで、いい歳になって人生思うままになることばかりじゃないと実感してしまっている人ならその先まで。
人間の成長と成熟をテーマにしていて、世界は隅々まで論理的に作り上げられ、魔法・魔法使い・竜、全てに説得力がある。
文化人類学者を父に持つ作者らしく、欧米的なものでない文化が説得力をもって描かれている(キリスト教文化のなかで育った人だ、と感じる部分もやはり、あるけど)。
そうして出来上がり名作という評価が定まっている作品でも、問題があると感じれば、十数年の時間を経ていても卓袱台をひっくり返す生真面目が、この作者にはあある。
そんな誠実さと、強靱な知性をもつ人だからこそ書くことができた作品だろう。
間違いなく傑作だと断言できる。
だから、なおさらあの映画に腹が立つんだけどね~
経緯で腹が立っていて、でも見ないで文句言うのもなぁ……というので(そして少しは希望を持ちたくて)見に行きました。
宮崎父は原作ナウシカを読んでも、『千と千尋の神隠し』等にも〈ゲド戦記〉の影響が見て取れて、そこまで傾倒したもの、その作者をこう扱ってしまったのだなぁ、と思うととても残念です。
息子の映画を最後まで観ずに出てきちゃったシーンをみて
あー、これはダメなんだと思ってみてません
でも、ゲドの原作もきちんと読みこなしてないんですがね・・・
はい、大人の都合の御輿に仕方なくなった可能性もあるし、その場合、監督は気の毒だとは思うのですが。
でも、とにかくつまらない、人の行動や感情の辻褄があわない、ストーリー展開がわけ解らないんです。
(命がけで自分を助けてくれた人を嫌って怒鳴りつけ、同じ人間が「親を殺した」と発言したら心を許す。何故?)
あの原作をこんなにつまらなくした、というのも凄いですが、これだけどうしようもない脚本に、真っ当な作画スタッフの労力が費やされた、というのがまた腹が立つのです。
一番たまらんなぁ、とおもうのは、やはり明言したことを踏み倒したことですけれど。
ながつきさん
えー、ドラマ「アースシー」、真の名と呼び名の入れ替えがあるというのも聞きましたし、「だから題材ですよという意思表示で、そういう作りなんだよ」と言われましたし、アリだと思います。
映画『ウィロー』なんかも「あー、指輪やりたいんだな〜」とか思いつつ、やんややんや言って楽しく見ましたし。
それでも「原作好きな人にはアレは薦められない……」と知人が下を見た後で言ってきました。
それはそれだと思うんですけどねぇ。
このドラマについてというわけではないのですが、「いま・ここ」じゃない別の世界の物語を語る・読む・見る魅力って、「いま・ここ」から離れることで逆に普遍的な問題について語りやすくなるから、って部分があるからなのじゃないか、とファンタジィ好きな人間としては思うんです。
ただエキゾチックな世界で気持ちいい話が展開するなら(たしかに心地良いし、必要なときもあるとは思うのだけど)、なぜ「いま・ここ」の話ではないのか、単に書きにくいから? と思ってしまう部分があります。
恣意的に法則をいじれる作品世界を書くのには、それなりの覚悟がいる、それだけの何かがあるのだろうか、とつい考えてしまいます。
「アースシー」をすすんで見たのは、”ハイタカが真の名”だと聞いたから。
放送直後から苦情がTV局に殺到したそうな1、2巻がベースというミニドラマは、
「ゲド戦記」の映像化という意味で見る価値はまったくありません。
女史いわく「怒りっぽい白人のにーちゃん」がゲドで、2巻は痕跡もないくらいまるで違う話ですが、
TV枠の量産型としてはそれなりに良いデキのアドベンチャー・ファンタジーです。
向こうでの評価も、「アースシー」の名を掲げている限りぜったいに許せない方と、
あくまで違うものが大前提だけど気軽なFTとしてはなかなかいいんじゃない、に分かれてるよう。
私は後者。原作は自分にとってとても大切なものなのに、なんだかこれ擁護してしまうのは、
そもそも短いTV枠と低予算でのゲドの映像化は100%無理なことを思えば、正しい方向性だと思うし、
真の名前の入れ替えを「これは違うものだ宣言」と受け取ったことと、
原作(結果として原作じゃないけど)の精神も奥行きもないにもかかわらず、
何故か不思議なことに、原作への敬意と海と島々からなるアースシーという世界を感じさせるので。
あ、見ろと言っているのではありませんので。身近なご友人の判断は有益だと思います。
まあ、別ものだけど、そう酷いものではないよってことで^^
そうそう、ポニョのストーリーはニーベルングの指環をなぞってるようでしたよね。
川と海は違うけど、水底から始まって、大洪水。
まっとうに考察してはいけないような気がします。ハートで感じる作品、なのでしょうね。
と、ちゃんと見ていないくせにまた言ってしまいました。
演出に関しては素人丸出しで内容以上に気になりました。
監督として選んだこと自体が失敗だったという事でしょう。
原作が良く出来ているから素人でもたぶん大丈夫だろうなんて
軽く考えてしまったのかもしれないですね。
宮崎の名をちょっと買いかぶりすぎたのかな。
ただ作画スタッフのレベルが高いので
まだ見れるかな(⌒〜⌒)ニンマリ
もしかすると、ですが、会社的に切羽詰まって大人の事情でああいう形、だったのかなぁと思って見たり。
スタジオが、アメリカの会社あたりとの契約等でコンスタントに作品を作り続ける必要があり、宮崎駿はハウルで実働中、そこでなぜかこうなった……と。
それにしても何故素人をと、ため息をつきたくなるけれど、やはり名前なんですかねぇ。
この映画に関しては、酷い、失礼だ、と感じているということと、残念だ、という思いしかありません。
ながつきさん
内々の上映で、何も言わなかった原作者に監督が感想を求めて、
「いい映画です。これは私の作品ではありません。あなたの作品です」
(記憶から意訳、わたしの私見がきっとある)とだけ言われたのを監督がブログに書き、それで爆発的にメールがアメリカに送られ、ル=グインが仕方なく声明を出したようです。
褒め言葉だ! って盛りあがった人(!)もいたようですが、求められてやっと口にされるgood(マーベラスでもワンダフルでもなく、ただグッド)って、そのなんちゅーか、ですよね。
うがって考えると、監督もわかって書いてたのでは、と思えたりもします。
この映画、正面切って言いたいことを言うため(そして一縷の望みにすがるところもあって)、劇場に見に行きました。
緊張感無く、退屈で、開始十数分で「家に帰りたいな〜」と思いました。
あの〈ゲド戦記〉を原作にしている、と主張しなければ、ただつまらない、劇場作品では見ないな〜くらいの駄作でしかないんですけど、それが出来た経緯がさすがにあんまりだと考えています。
アメリカのドラマ、見た人から「あなたはきっと怒るから」と警戒警報が出されたので、見てません。
上だけ見た段階で「題材だけと思えば……」と言われたけど下を見て「ゴメン、見たら怒る、きっと」と止められました。
「ラストでゲドとテナーが抱擁してキスでもしてました?」「あ〜、まぁそういうことで……」
それくらいなら驚かないけどなぁ、アメリカですし。
ストレートに見よう、と思ってたポニョ、ポニョの本名がブリュンヒルドと思い出して頭が走り出してしまいました。
ワルキューレじゃん、じゃあ……と考えるほどに異界よりな方向へ。
確かに、まっとうに考察しちゃうと怖いです。
精神衛生上よくなさそうなので、アニメを見ていないだけではなく、話題ごと避けまくっていて、
原作者コメントは読んだけど詳細をあまり知らなかったので、???の部分がすっきりしました^^
やはり、この先も見ないままでいようと思います・・・。
女史がアースシーを真っ白にしたと激昂したというアメリカのドラマは、すすんで鑑賞してるんですが。
オジオン様を演じた黒人俳優さん(ダニー・グローヴァー)が、みょうに印象に残っていて、
以来、何処で見かける度に、オジオン様何やってんの、と思ってしまいます。
映画「2012」ではアメリカ最後の大統領でした。
ミニドラマ「アースシー」未見でしたら、もう少し情報補足します~。
NHKの「仕事の流儀 プロフェッショナル」でも触れたかな・・・記憶があいまいですが。
なので、観る気がしませんでした。
テレビ放送も観てません。
プロフェッショナルであって欲しかったです。