これまで　だれにも話したことがないのだが　実は　僕は　他の宇宙空間からやってきた宇宙人なのだ。
μｰ800星が　僕の祖国で　地球からは　222万光年も離れている。
宇宙サーフィンをしているうちに　偶然に　地球にたどり着いた。

* * *

地球で生活をはじめて　もうしばらく経つが　たぶん　誰にもばれていないだろう。
というのは　僕の体の形、大きさ・・・そっくりな生物が　この地球にいたのだ。
その生物とは　　地球人といっしょに町中で生活し　耳は三角、目はドングリ　からだは丸っこい・・・
そう、　地球では　「ネコ」と呼ばれている生物にそっくりなのである。
おかげで　僕が　この地球で　生活しても　誰も気づくことなく　安心して生活ができる。

ただ　地球人やネコと違うところは　僕らは　いつも一瞬の計算で　行動すること、そして　完璧を追及することだ。
僕らは　完璧な計算に基づいて　いつも効率のよい行動をとる。
しかし　　塀に駆けあがろうとして　ズルッと　落ちそうになることがある。
僕らの星とは違う重力によって誤差を　生じるのだ。
足をバタバタさせて　その誤差を修正しようとするが　ズルズルズルっ～と　塀の下に　落っこちてしまうことがある。
その時には　辺りを見回し　何もなかったことにして　その場を立ち去るのだ。
ここが　知的な僕らと　ネコと　違うところだ。ただし　ここは地球人には似ているところがあるかもしれない。
* * *
今　ここで　僕が 「μ-800星から来た　とか　222万光年先から来た」とか　話しても　地球人は　信じないだろう。
きっと　「μｰ800星じゃなくて、ウソ八百だろう」　とか　「にゃんにゃんにゃんの語呂合わせで222万光年なんだろう」とか馬鹿にするにちがいない。
なんてこの星の人間は　果てしなく現実的なのだろう。

でも　この星の缶コーヒーは美味い・・・・